目が見えるのに、目が見えないと訴える心因性視力障害

転換性障害・身体表現性障害
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子どもを見ていると時々出会う心因性視力障害。「自験例118例を調べると,女児96例,男児22例であり,女が男に比べて4~5倍多く,年齢は8歳から14歳に多いという結果であった」 という論文もあります。女の子で、小学校の高学年頃が好発時期だと書いてあるものが多いです。
予後については、「一般に本症の予後は良く、比較的短期間に回復する例が多い。しかし中にはなかなか改善されない例もあり、一度改善しても再発する例も少なくないとされている。自験例でも、確かに眼科的治療のみで比較的簡単に治癒した例もあった。」とあるように一部には、なかなか改善しない事例も多いみたいです。

心因性視力障害のケースは、自分のみた感じでは、わりとサポーティブな対応で良くなっているなぁというイメージがします。しかし、予後が悪いという事例もあるという指摘もあります。

心因性視力障害は、レンズ打ち消し法という方法を使うことで、疑いをかけられるらしいです。レンズ打ち消し法っていうのは、レンズを組み合わせて、レンズを使うけど、度数は変わらないという状態を作り出す方法のようです。ようは、子どもが、レンズを通して見ていると錯覚するけれど、実際の見えは変わらないという方法ということ。心因性視力障害の子は、このレンズ打ち消し法で視力が改善すると書かれている論文が多い。

話は、もどって、視力の回復が悪い事例。実は発達障害かも…という指摘もあります。心因性難聴から注意欠如・多動性障害(ADHD)が判明した同胞例 小児耳 31(3)  をみてみると、視力障害+難聴の事例が実は発達障害だったということが指摘されています。
この場合、非言語性LDという可能性が指摘されています。治りが悪い心因性視力障害の方には、LDI、フロスティッグ視知覚検査、ベントン視覚記銘検査、ベンダーゲシュタルトくらいの検査はとってみるといいのかもしれないですね。

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