解離をコントロールするグラウンディング

PTSD トラウマ
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解離性障害の治療で欠かせないのがグラウンディングです。

グラウンディングには、定式化した方法がないようですが、基本的な要素は同じです。「今」に注意を向けなおすことがグラウンディングになります。

もっともよく行うのは、「何が聞こえているか?」「何を見ているか?」「何を触っているか?」「何が臭っているか?」などの5感に注意を向ける方法です。これらを3つずつくらい、見つけてもらいます。5感は常に「今」と結びついています。その為、現実に戻ってくる際にはとても有効な方法になります。

また、地面についている感じにも注意を向けます。地面に足がついている感覚は、非常に安定感があり、その感覚を味わうことで安心感が持てるのです。

 

このグラウンディングは、解離性障害でなくても、解離症状が出ている時に用いることができます。例えば、PE療法のイメージ・エキスポージャーやEMDRの脱感作の最中に解離しそうになれば、グラウンディングを行います。これは、通常の面接でも行います。

また、このような現象としての解離としては、意識が低下してきる・ぼんやりとするなどの状態像、フラッシュバックがひどくて感情等がどんどん出てきてとまらないといった状態像など様々な状態があります。前者は女性に多く、後者は男性に多く、自閉スペクトラム症の傾向がある方によくみられます。

 

グラウンディングは、日常生活の中でも使っていくと良い方法です。もっと進めば、マインドフルネスのボディ・スキャンという方法も非常に似ています。

解離性障害の方に、マインドフルネス・エクササイズをやってもらうと、治療の初期には「なにもありません」とおっしゃる場合が多いです。これは、「気づき」を遮断している(解離させている)とも言えます。トラウマ記憶が邪魔して、「気づき」を得ることを無意識に拒否しているとも言えます。

もしトラウマ記憶があれば、これを処理していくうちに、自然とマインドフルネスな態度が身についていきます。言い換えれば、「気づき」を得ることが怖くなくなってくるのですね。自分の感じたものを感じたままに感じることが怖くなくなるということです。もっと言えば、「嫌なら、嫌だと感じていいんだ」と実感していくことです。

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