アメリカ心理学会(American Psychology Association)の第12部には、疾患ごとに対する治療法の有効性について書かれている。http://www.div12.org/
それを引用してみる。
◯ADHD
認知行動療法 (強く推奨)
◯うつ病
行動療法・行動活性化療法(強く推奨)
認知療法(強く推奨)
認知行動分析システム精神療法(CBASP) (強く推奨)
対人関係療法(強く推奨)
問題解決療法(強く推奨)
セルフマネージメント(強く推奨)
アクセプタンス&コミットメントセラピー(中程度推奨)
行動的カップルセラピー(中程度推奨)
感情焦点化療法(中程度推奨)
論理感情行動療法(中程度推奨)
レミニッセンス療法(回想法) (中程度推奨)
自己システム療法(中程度推奨)
短期的精神分析療法(中程度推奨)
◯双極性症
心理教育(躁病相:強く推奨 うつ病相:中程度推奨)
システマティック・ケア(躁病相:強く推奨 うつ病相:推奨される研究なし)
認知療法(躁病相:中程度推奨 うつ病相:中程度推奨*)
家族焦点型療法:FFT (躁病相:推奨される研究なし うつ病相:強く推奨)
社会リズム対人関係療法(躁病相:推奨される研究なし うつ病相:中程度推奨*)
*2つの研究がうつを低減させたが、知見が混乱しており、中程度とした。
◯境界性パーソナリティ症
弁証法的行動療法(強く推奨)
メンタライゼーションに基づく治療(中程度推奨)
スキーマ焦点型療法(中程度)
転位焦点型療法(強く推奨:ただし、議論の余地あり)
◯拒食症(アノレキシア)
家族療法(強く推奨)
認知行動療法(中程度推奨:ただし議論の余地あり)
◯過食症(ブルミア)
認知行動療法(強く推奨)
対人関係療法(強く推奨)
家族療法(中程度推奨)
健康体重プログラム(議論の余地あり)
◯PTSD
プロロングド・エクスポージャー療法(強く推奨)
現在中心療法(強く推奨)
認知処理療法(強く推奨)
安全を探す(薬物乱用を併存している場合) (強く推奨)
ストレス免疫訓練(中程度推奨)
EMDR(強く推奨:ただし議論の余地あり)
心理学的デブリーフィング(推奨されない、危険な可能性がある)
◯強迫症
暴露反応妨害法(強く推奨)
認知療法(強く推奨)
アクセプタンス&コミットメントセラピー(中程度推奨)
◯パニック症
認知行動療法(強く推奨)
リラクセーション(中程度の推奨)
精神分析(中程度の推奨:ただし議論の余地あり)
という感じです。解離性障害については記載がないですね。少し認知行動療法によっている感じがしますが、家族療法も推奨されています。
実際に他のガイドライン等によっても推奨されている治療法が違うので、これを鵜呑みにはできませんが、一つの指針にはなるかと思います。