生きていると、どんな形であれ、批判を受けることは免れないことです。
批判を受けた際に、上手に対応できなければ、ストレスが溜まっていくことは容易に考えられます。
批判には2種類ある
一番最初に行うことは、批判を2種類に分けることです。
建設的な批判と、非建設的な批判です。
建設的な批判とは、『仕事の納期がいつも遅れてしまう。これは、いけないんじゃないか』、『資料に不備が多い』など、その批判を聞いたときに、素直に自分が悪いと思える様な批判です。
一方、非建設的な批判とは、『お前の態度が悪いから、こんな失敗が起るんだ』『この仕事の失敗は、全てお前のせいにあるからな』などのように、素直に聞けない批判であったり、批判の根拠が理不尽な内容である批判です。
建設的な批判に対処する
建設的な批判というのは、あなたを攻撃しているものではありません。本来、ディスカッション(話し合い)というのはお互いに意見を話しあうことで良いもの作っていくものです。
例えば、『会議で、あなたの意見には反対だ』と言われることがあるかもしれません。しかし、これは本来、あなたの人格を否定している言葉ではないのです。
また、ときに批判の対象が明確でないときがあります。
例えば、『あなたの仕事は不十分だと感じている』『どうして、私の言ったことをしてくれないの?』『君には裏切られたよ』などのように何を批判されているのかが分からないこともよくあります。
その場合は、その詳細をたずねたり、『本当に、自分が批判されているのかどうかを確かめる』ということが必要になってきます。
また、時には自分では分からないということもあるでしょう。アサーションには、「分からない」「知らない」と言っていい権利というものがあります。
自信を持って、「その質問は、私には分かりません」「私には答えることができないのです」といいましょう。
非建設的な批判は聞き流す
建設的な批判は素直に効くことが必要ですが、非建設的な批判は、メッセージだけ受け取り後は聞き流して構いません。
特に批判をされる際に、相手が大きな声だったり、怖い表情であったりすると、余計に自分が悪い気がしてきます。
そのような非言語的態度も聞き流して下さい。
例えば、『君は、どうして同じ失敗ばかりするんだ。もうちょっと確認をしっかりしないといけないよ。ぼーっとして見ているんじゃないか!?
勤務中も、気が利かないし…そういう心の持ちようで仕事をしているといかんよ!』の様なセリフから、「もうちょっと確認をして欲しい」というメッセージだけ受け取るようにするのです。
後の、「気が利かない」「心の持ちよう」というセリフは、置いておきましょう。
また、失敗を引きずっている方に特徴的なのは、「失敗したから、自分はダメな人間だ」「失敗の責任の全ては自分にある」という考え方です。
このときに役に立つ考えは、「私が失敗したからといって、私の人間性を誰も否定することはできない」、「失敗の主たる責任は私にあるかもしれないが、私の責任ではない部分もある」という考え方でしょう。
これらを実践するためには…
「置いておく」「聞き流す」と書いてあると、もしかしたら、「それができないから困っているんだけど…」と思われるかもしれません。
もし、何らかのトラウマがある場合は、そちらを先に治療していくことが必要です。
もしトラウマがなければ、気の会う仲間とロールプレイをしてみるのが良いと思います。
例えば、私のカウンセリングでは、「気を小さくして聞くパターン」「切れて、怒り返すパターン」「正々堂々と受け流すパターン」の3種類をやることが多いです。
そして、相談者の方も、「批判をする方」「批判をされる方」の両者を経験してもらいます。
普段、批判を受けてばっかりという方は、批判をする役をした際に、「気を小さくして聞く態度」だと、余計にイライラしたり、攻めやすいことに気が付かれます。
一方、「切れて、怒り返すパターン(いわゆる逆ギレ)」だと、会話がまとまらないことにも気が付かれます。
そして、「正々堂々と受け流すパターン」の練習を何度かしていくと、批判をされたときにあわてなくなります。
あわてなくなると、その分、不安も減り、受け流せるようになります。