「怒り」にどう対処していくか?

認知行動療法
Pocket

身体的に疲れているとイライラしやすい

あたりまえのことですが、疲れているとイライラしやすくなります。疲れをとるためには睡眠が必要です。最近、イライラしやすいと思う場合は、生活習慣(特に睡眠)を見なおしてみると良いでしょう。

「怒り」が生じた時に、「怒り」との関わり方を考える (マインドフルネスの対応)

・感情を認める (怒っていることを妥当であるとする)

もし、自分が怒っていることを認めたくない気持ちが少しでもあるならば、「怒っている自分」に対して、「こんなことでイライラするなんて、最悪だ」「性格が悪い人間だ」「心が狭い」等と感じてしまい余計にイライラしてしまいます。そこで、「自分は怒っているに至る理由がちゃんとある」と、自分が怒っていることは妥当であると認めてみましょう。たとえ、親切にされたとしても、あなたが怒りを感じたとしたら、怒りを感じた理由はあるはずです。そして、その理由は、正しいのです。

・「怒り」を観察する

どうしてあなたは、「怒り」を感じたのでしょうか? その理由を、穏やかに観察してみましょう。恩を仇で返されたとして、その人以外からそのような振る舞いをされると怒りを感じますか? 目の前で規則を破られて、怒りを感じたとして、他の規則を破られた場合は、怒りを感じますか? 色々な場合を比較して考えていくと、自分がイライラしている理由がより、具体的に分かってくるかもしれません。自分の逆鱗(=自分が大切にしたいもの)が分かってくると思います。

同時に、自分が怒っている時によく考えていることも見えてきます。例えば、「自分だけが苦労している」「自分は努力しているのに、認められない」「自分の力では何もできない」「自分の不安に耐えられない」など色々あると思います。このような、イライラしている時に考えていることを見つけていくことが「怒り」を観察するということです。

また、怒りに結びつく考えを見つけても、イライラが止まらない場合があります。その時は、「どうして、それが怒りに繋がるのだろうか?」と考えてみてください。そして、考えるスピードも穏やかにゆっくりと考えるようにしてみましょう。

・怒りを発散させる行動に頼らない (イライラする場面から逃げない)

イライラしないようにしたり、イライラを発散させようとすると、イライラする場面と向き合えず、その場面・状況が苦手なままになります。例えば、部下が仕事を指示通りにしてくれなかったとして、叱責することでイライラを発散しているとすれば、同じような場面で、また同じようなイライラが出てきます。そして、その部下やミスに対してイライラしやすい状況がずっと続いていくでしょう。この悪循環を変えていくためには、「イライラしているときに、そのイライラを発散させようとする行動」をなるべく控える必要があります。

・1度に一つのことだけを考える。 1番最初、1番長い、1番強い のどれか

イライラするようなことが沢山あると、対処できない自分に対してイライラしてしまいます。そのため、一度に観察すること、対処することは1つの怒りだけにします。

・思うこと ≠ 行動すること

時々、怒りを感じて、頭の中で憎んでしまうだけで、自分は嫌なやつだと考えてしまう方がいます。しかし、「思うはただ」です。気持ちの中では、相手を憎んでいたとしても、行動として仲良くすることはできます。

人は感じ方を変えることはできません。しかし、行動は変えることができます。

怒りの吐き出し方を考える (アサーティブ)

怒りを発散させるために、「うるさい!」「なんで、こんなことするんだ?」「なんで、注意されたか分かる?」と言ったとしても、それはメッセージとして、相手に伝わりません。相手に伝えるメッセージは、「◯◯してほしい」という言い方に変えていく必要があります。「うるさい!」は、「静かにして下さい」、「なんで、こんなことするんだ?」・「なんで、注意されたか分かる?」は、「今後は、◯◯については気をつけてね」、「◯◯したら、××も、忘れずにしてね」などのようなポジティブな言い方にしていきます。こうすることで、相手も、どのように振る舞えばいいかが分かるため、次にイライラする場面が減っていきます。

Pocket

タイトルとURLをコピーしました