自分は気持ちを伝えているはずなのに、何故か自分の気持ちを組んでくれない。 「いや…そういうことじゃなくて…」といっつも思ってしまうなどの時には、自分の気持ちの伝え方を見なおしてみると良いかもしれません。
自分の気持ちはしっかりと掴めているか?
自分が不安なのに、それを認められなくてイライラしてしまったり、イライラしているんだけどそれを隠そうとする…などのように、自分の気持ちをしっかりと掴めていないと、気持ちを伝えることはできません。
自分は、今、不安なのか? イライラしているのか? 落ち込んでいるのか? などと、少し自分の気持ちを考えてみましょう。自分の感情・気持ちを表現しなければ、気持ちは伝わりません。まずは、その前提を見なおしてみましょう。
「禁止」の言い方をしていないか?
これは案外、あると思います。コミュニケーションを分析すると、「◯◯しないで」というように、禁止の形で伝えている場合が意外に多いです。
子供を叱る場面でもよく言ってしまいますね。「ここでは騒がないで」「◯◯は触ってはだめよ」等ですね。上司も部下によく言っていると思います。「◯◯するのはやめてね」「◯◯するのは駄目だよ」等です。
このような禁止の形で気持ちを伝えていると、相手はどんな行動をとっていいのか分からないのですね。そのため、どうすればいいのか分からなくなり、イライラしてしまうこともあります。
「◯◯をして欲しい」という形で言っているか?
禁止ではなく、「◯◯をして欲しい」という言い方にしてみると、どうすればいいか分かりやすくなります。
「ここでは騒がないで」を『静かにしておいてね』、 「◯◯は触ってはだめよ」を『少し離れて見て』に変換するとどういうことをすればいいか分かりやすくなりますね。
して欲しいことは具体的か?
「私の気持ちを分かって欲しい」「ちゃん考えてね」とついつい言ってしまいたくなります。しかし、具体的な指示でないと、相手は「気持ちを分かるってどういうこと?」「ちゃんと考えるって何をどう考えたらいいの?」と思ってしまいます。その結果、言ったことを守ってくれない…という悪循環に陥ってしまうのです。
そこで、「私に◯◯ということがあったら、言って欲しい」「今日は、手伝いができないと言って欲しい」「できないと分かったら、早めにいって欲しい」などのように、具体的な指示の形に変換してみましょう。
何度も同じ”言い回し”で伝えてみましょう
具体的に指示を伝えても、なかなか相手は実行にうつしてくれないかもしれません。これは、残念ながらよくあることです。そこで、あきらめずに、同じことを何度か伝えてみる必要があります。
何度も伝える際に、言い回し(セリフ)で伝えることで、相手には更に印象深く伝えることができます。これは、デモのスローガンのようなものです。メッセージを決めて、それを何度も伝えることで、社会を変えていくように、人にも何度も伝えることで、変わってくることがあります。
できない理由を訊いているか?
具体的に何度伝えても、相手が実行できていない場合は、実行できない理由がある可能性が高いです。これを、非難をせずに尋ねてみましょう。「なぜ、いつも同じようなミスをするんだ?」「なんで、僕の気持ちを分かってくれないんだ?」のようにきいてしまうと、相手を避難しているニュアンスが強く出てしまいます。
そこで、「私は◯◯して欲しいと思っているんだけど、どう思う?」のようにニュートラルなセリフできいてみると、相手の気持ちがよく引き出せます。
その結果、「私としては、何度も見直しているんですけど…」とか、「早く仕事をあげろと言われていて…仕事を早くと思うとミスが増えるんです」などのように、相手が自分の指示に従わない理由が見えてきます。
この自分の要求と相手のできること・できないことをすり合わせていく過程が、コミュニケーションではとても大切になってきます。ここで、二人で解決策を一緒に考えていけば、争わずにすみます。
例えば、「早く仕事を上げるというのとミスを減らすというのは、一緒にできないということなのね。じゃあ、仕事は多少遅くなってもいいから、ミスを減らすようにして欲しい」などのように、相手のできること・できないことにあわせて、自分の指示・要求を変えていくのです。
このように、「自分の思っていることが伝わらない…」と嘆く前に、伝え方や、どうコミュニケーションをとっているかを見なおすことで、お互いに納得のいく話し合いになっていきます。コミュニケーションは双方にWin-Winな関係を築いていくことが長続きするコツです。