アサーティブ・コミュニケーション

アサーティブ
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アサーティブという言葉がよく聞かれるようになって久しい。アサーティブとは、主張するという意味だが、アサーティブ・コミュニケーションといった時、それは少し違う。

アサーティブな考えや行動をまとめると次のようになる。

アサーティブでない考え
・言わなくても、これくらい分かるだろう。
・話し合いでは、自分の意見を言えばいい。
・自分の意見を言ってもどうせ、聞き入れられないだろう
・相手は、(年下・部下だから)、自分の意見を聞くべきだろう
・自分だったら○○と感じるから、相手もそう感じているだろう。
・意見が違うんだから、話しあっても何も解決しない。
・相手が私の意見を聞かないから、私は××という態度をとるんだ。
・何かを頼むと申し訳ない。

アサーティブな考え
・話し合わなければ、お互いの考えていることは分からない。
・話し合いでは、相手の話をきくこと、自分の意見をいうことの両方が大切だ。
・聞き入れられないこともあるかもしれないけれど、言ってみないと分からない。
・(たとえ、年下・部下でも)、話しあいの結果、お互いが納得することが大事だ。
・自分の受け止め方と相手の受け止め方は違うし、考え方も違う。
・お互いの意見は違っても、話し合うことで納得できる答えに達する。
・相手が私に賛成してくれないけれど、私は△△したいから、話しあってみよう。
・迷惑かどうかは、相手が決めること。とりあえず、話しあってみよう。

アサーティブではない行動
・早口でしゃべる。一方的に話す。または、自分の意見を言わない。
・「どうして、○○するんだ! ダメだよ。」(理由を聞かずに叱責)
・「あなたは、…すべき」「あなたは、…だ。」(ユー・メッセージ)
・「あなたは、○○というけど、それは違うよ。」「みんな、普通は○○と感じるよ。」
・「とにかく、ちゃんとして!」(具体的に言わない。)

アサーティブな行動
・落ち着いて話す。相手からの質問を受ける。
・「あなたが○○をしたい理由はなに?」
・「私は、……と思う。」、「私は、……と感じた。」(アイ・メッセージ)
・「あなたは、○○だと思ったんだね。私は、××だと思ったよ。」
・「○○を、××にして欲しいな。」

これで少しイメージがつくかもしれない。基本的には、お互いが対等になり、意見を交換して、二人の妥協点を考えるコミュニケーションと言える。
アサーティブには色々な考え方があるが、アサーティブになるために必要なことは以下の4つだと、私は思う。以下は、私が作った資料からの抜粋。

○アサーションに必要なこと

1.自分の気持ちに気づくこと
自分の気持ちに気付かないと、感情的に相手を非難してしまったり、相手の意見や主張に振り回されてしまうことがあります。
自分の中から出てくる気持ちをつかまえることは難しいことです。自分の気持ちに気付くヒントとして、「こうするべき」、「これは絶対に良い」、「これは正しい意見だ」と判断せずに、自分が感じたように感じてみてください。
また、自分の気持ちに気づくことと、その後、どう行動するかは別のことです。あなたは、自分の気持ちを伝えることも、自分の気持ちを伝えないでおくこともできます。

2.自分の気持ち、考え、意見を素直に表現すること
自分の気持ち、考え、意見、を素直に表現してください。素直に自分の気持ち、考え、意見を表現しなければ、相手は、何をどうしたらいいのか分からなくなり、いらだったりすることもあります。
自分の気持ちを伝えることで、相手を傷つけてしまいそうなときは、「私は…」で始まるアイ・メッセージを使ってみましょう。アイ・メッセージは、「私はこう思う」、「私はこう感じる」「私はこう感じる」「私はこのようにしてほしい」「私はこのようにしたい」のような言い方です。

3.相手の気持ち、考え、意見に耳を傾けること
自分と同じように、相手の気持ち、考え、意見を大切にしてください。相手を大切にするには、相手の気持ち、考え、意見に関心を持つこと、それを肯定することが大切です。相手の気持ちや考えに耳を傾ける一つの方法は、質問することです。「どう思うの?」「どう感じたの?」そんな言葉を少し挟むだけでも、相手は大事にされたと感じます。
言葉の受け取り方は人によって違います。コミュニケーションにおいて誤解やズレは、当たり前に起こっています。自分のことが上手く伝わらないことも、相手のことをよく理解できないことも起こります。コミュニケーションは、この誤解やズレを修正する作業が必要になります。

4.自分の行動に責任を持とうとすること
あなたは、どのような状況にあろうとも、自分の行動を自分で選択する権利を持っています。「行きたくなかったのに、断れなかった。」などの後悔は、自分の行動を選択する権利を使っておらず、自分の選択する行動に責任を取っていない状態といえます。
また、責任を取らなければならないと考えると、失敗するのが怖いという心理が働く場合があります。しかし、人は誰でも失敗する権利を持っていますし、完璧である必要もありません。責任は取れる範囲でとれば良いのです。大切なことは、何度も挑戦してみることです。

ただし、人間のコミュニケーション場面では、批判されたり、喧嘩するなど、そもそもの出発点がアサーティブになりづらい場面が色々とある。そのようなときに、アサーティブならば、どのように対処するか、という点も大事だと思う。

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