これは、自閉スペクトラム症、ADHDの方でとてもよく起こる問題です。そして、この問題の背景には様々な要因が関係しています。
○ADHDが背景にある場合
ADHDは、自分の反応を止めるブレーキが効きづらい『不注意』という症状があります。会話の中でこのような症状が起こると、「話をきいている最中に、頭に浮かんでしまったことを考えてしまい、話の最後だけしか聞いていない」ということが起こります。
例えば、
「いまは、どこの会社でもユーザーごとや、月ごとに売れる商品が何かを調べて、その売れる商品に見合った在庫を仕入れるようになってきているんだよね。うちでも、今までは月ごとの売上は調べていたんだけど、今後はユーザーごとに、どの商品を購入しやすいのか等の、”趣向”を分析していこうと思う。そうすれば、一つの商品を買った際に、このユーザーはこの商品も買ってくれるはずというのがわかるからね。だから、君には、月ごとにユーザーがどの商品を買っているか?というのを調べて欲しいんだよ」
と指示を出したとします。この会話で、上司が出した指示は『月ごとにユーザーがどの商品を買っているか?を調べて欲しい』ということですが、その前の部分の話をきけば、上司が知りたいのは『特定のユーザーが合わせて買っている商品がどれかを知りたい』のだと分かります。そうなると、自ずと調べてくるデータが変わって来ます。
不注意優勢型のADHDの方は、この説明を受けている時に、『そういえば、コンビニも最近、ICカードで情報とってたりしてるもんなぁ…』、『ユーザーを分けるってどうやって分けたらいいんだろう…』、『ユーザーで分けるよりも、年齢とかでわけたほうがいいと思うんだよな』などのように色々なアイデアが浮かんでしまい、このアイデアに気をとられてしまうのです。そして、はっとした時に最後の指示だけを覚えてしまいます。
続く…