PTSD・トラウマとは?

PTSD トラウマ
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トラウマは心の傷とも呼ばれ、幼少期の虐待、DV(ドメスティック・バイオレンス)、親のDVの目撃、性被害、犯罪被害、身近な人の死、自然災害、交通事故、いじめ、パワハラなどによって生じます。トラウマが重度な場合、PTSDと呼ばれる状態になります。

強いストレス状況を経験しても、ヒトはそのストレス状況を何とか処理していこうとトラウマ記憶を処理し始めます。代表的なものは、他人に自分の経験を話すことで、記憶や気持ちの整理をしていくことです。しかし、何らかの理由でこの処理が上手く行われない状態が生じます。これが、トラウマ・PTSDなのです。

アメリカの精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-5)によれば、PTSDの症状には主に4つあります。①嫌な出来事が突然頭の中に思い浮かぶフラッシュバックや悪夢と呼ばれる再体験 ②嫌な出来事を思い出すものを避ける回避 ③イライラや不安感といった過覚醒 ④ものごとに対する悲観的な考えです。診断基準上PTSDには、生死にかかわるトラウマ体験が必要になります。しかし、一般に生死に関わらないトラウマ体験であっても、PTSDの4つの症状が出現することが知られています。PTSD・トラウマのどちらであっても、治療方法は共通しています。

PTSDの研究では、強いストレス状況を経験するとその当時の記憶(トラウマ記憶)が断片化されることが分かっています。例えば、性被害にあった女性は、その出来事の一部始終を思い出すことができなくなっています。これは、トラウマ記憶が断片化しているためです。そして、この断片化された記憶は、もともとの記憶と関連のない記憶と結びついてしまいます。例えば、親のDVを目撃した人が、「ここは危険だ」と思ったとします。本来は、家庭の中だけが危険ですが、家庭以外の場面でも「ここは危険だ」と思いやすくなってしまいます。

更に、人間の脳は危険なトラウマ記憶にアクセスできないように抑えこもうとしています。しかし、一部の記憶は、脳の力では抑えこむことができずに漏れだしてしまいます。これがフラッシュバックや悪夢の正体です。

現在、トラウマやPTSDに対する治療法は様々なものがあります。最も研究が進んでいる方法は、持続エキスポージャー療法(PE療法)とEMDRです。その中にある一つの共通要因として、記憶の再構成があげられています。記憶の再構成とは、断片化したトラウマに関する記憶を、トラウマに関連しない記憶と結びつけることです。

 

 

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