EMDRと自我状態療法

PTSD トラウマ
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自我状態療法では、自分の中に「部分(パーツ)」があると考えます。そして、心の葛藤状況は、その背景にある部分(パーツ)が引き起こしていると考えます。

 

EMDRをしていると、脱感作の中でルーピングと呼ばれる現象がおきます。例えば、「親を本当は憎みたいんだけれど、憎めない…」という葛藤がある場合、

EMDRを行っていると、その最中で同じようなテーマや内容がぐるぐると出てきて、処理が進まなくなることがあります。

このように、出てくる内容は、少しづつ変化しているのに、苦痛な感じ(SUDS)が下がっていない場合、背景に何らかの葛藤がある場合が多いのです。

 

自我状態療法は色々な方法がありますが、典型的には、自分の中にある問題を引き起こしているパーツに会いに行きます。

そうすると、それまでの心の葛藤が、パーツとの会話や、パーツの姿・形として表現されるのです。

トラウマを自分に与えた人物に似た生き物であったり、昔の自分に似た生き物だったり、その表現は様々です。

 

そして、その自我状態と交流をしていくことを行っていきます。この交流を通して、葛藤を解決していきます。

交流は、1回で終わることもあれば、何度もかかることがあります。

 

葛藤が解決されれば、EMDRにおける処理が進みだします。

トラウマ記憶に埋もれた葛藤は、クライアントにとって重要な意味を持っている場合がほとんどです。

そのパーツは、みつけて欲しくて、何年も何年も、クライアントを待っています。

たとえ、恐ろしい姿をしていたとしても、待っているのです。

 

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