認知行動療法の中でも、暴露儀式妨害法やエクスポージャー療法は、最も効果があると言われている方法です。
しかし、実際に本だけではどんな方法なのかよく分かりませんね。
ここでは、インターネット上のyoutubeをつかって、実際にどのようなことをするのか紹介します。
紹介するビデオは英語なので申し訳ありませんが…。
◯パニック障害の広場恐怖に対するエクスポージャー
パニック障害は、電車やバスといった閉鎖された場所でパニック発作を起こす病気です。
そして、多くの場合、広場恐怖を合併します。
このビデオでは、地下鉄に乗れなくなった女性に対して、エレベーターへのエクスポージャーを行う様子が取られています。
まずは、心理教育のセッションのあと、セラピストがお手本を見せます。
そして、段階的に徐々に、閉塞された状況へと導いていきます。
エレベーターのドアが空いたままの状態から、治療者同伴のもとで、ドアがしまった状態へ、それから一人でエレベーターへ載ってもらっています。
エレベーターのドアがしまった時には、泣いてしまっていますが、その後しばらくして、エレベーターに一人に乗れるようになっています。
また、エレベーターには何度も載っています(繰り返し、暴露しています)。そして、最後には地下鉄・バスなどに挑戦し、回復していくという過程が記録されています。
実際のパニック障害の例では、このような広場恐怖はあまりみられません。
広場恐怖へのエクスポージャーも大事ですし、パニック発作をなくせない場合は、パニック発作へのエクスポージャー(内部感覚エクスポージャー)も必要になります。
そして、このセラピストは、わりと安全を保証する声かけをしていますが、パニック障害の場合は、反応妨害をこのように余りしなくても治療できます。
◯PTSDに対する持続エクスポージャー療法(PE療法)
https://www.youtube.com/watch?v=9aTDIiTr99Y
このビデオもかなり有名なビデオです。
ビデオに登場する黒人女性は、レイプ被害にあい、PTSDを発症しています。
PE療法の場合、エクスポージャーはそのときの様子を思い出し、繰り返しきくという想像エクスポージャーを行います。(PEでは、現実エクスポージャーも行います。)
この女性は、レイプされた後、レイプ犯が1階に降りた際に、2階の窓から飛び降り逃げ出したという過去を話してくれています。
ビデオで強調されている通り、何回もその状況を語る必要があります。最初の方のセッションでは、語りだすと泣き出してしまいますが、後のセッションでは、その様子を冷静に話すことができるようになっています。
PEは、エクスポージャー中に認知再構成法のようなもの(プロセッシング)を織り交ぜることが実は特徴的な治療法です。
この黒人女性は、レイプ被害を克服し、復職しています。最後のインタビューでは、「もう、あれは終わったことです」と笑顔で語っています・
◯恐怖症へのエクスポージャー療法
https://www.youtube.com/watch?v=0jZdzjAif60
これは、閉所恐怖に対するエクスポージャーをしている様子です。
◯強迫性障害に対する暴露儀式妨害法
https://www.youtube.com/watch?v=B-qtnCiX5b4
強迫性障害に対する良いビデオは、探しましたがありませんでした。
この女性は、少し特殊な強迫があります。
交通量が多い場所で、車がこないか確認して、横断歩道が渡れないのです。
「車にぶつかるのではないか?」というのが強迫観念です。
…この人が本当に強迫性障害なのかは少し疑わしいですが、強迫性障害のエクスポージャーでは、このように実際に、特定の活動を行なっていきます。