頭の中だけで起こる強迫症の症状

強迫症(強迫性障害)
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強迫症の症状は、目に見える洗浄行為、確認行為だけでなく、頭の中だけでも生じます。このような頭の中だけで生じる強迫行為は、どの強迫症のタイプにも生じます。

洗浄強迫:「主に汚れの感染経路を思い出す」「きれいになったと心の中で唱える」「綺麗かどうかを考える」「汚れが薄まっているかどうかを考える」

確認強迫:「人をひき殺していないかどうか記憶を振り返る」「確認したことがあっているかどうかを考える」「理論的に人を殺せないことを証明しようと考える」

整理整頓強迫:「自分が取ろうとしている行動の計画を何度もシミュレーションする」「文字数、歩数などの数を無意識に数える」

想像型強迫「自分が同性愛者ではないと理由を探す」

なぜ、この症状がやっかいなのか?

強迫症の強迫行為が目に見える場合、その動作をとるために「時間」がかかります。体力も使います。そのために、何度も繰り返すと途中で止むことがあります。

しかし、この頭の中だけで起こる強迫行為は、テレビを見ていても、歩いていても、仕事をしていてもつきまとってきます。そのため、一度このような症状に囚われだすと、かなり頭の中にあり続けるのです。

どうして、頭の中に浮かび続けるのか?

強迫症は、行動の悪循環を繰り返す病気です。これらの症状も行動の悪循環を繰り返しています。しかしそこには、3つの大きな症状が関わっています。

1つ目は、「頭に浮かんだことが無視できない」「本当の事のように思える」という症状です。例えば、強迫症を持たない人は、「汚れているかもしれない」「ドアが空いているかも知れない」などのようにふっと浮かんでも、その考えを無視することができます。しかし、強迫症を持つ人は、この症状があるために、ふっと頭に浮かんだ際に、「本当に汚れている」「ドアは空いている」という感覚になってしまいます。そのため、強迫観念が無視できなくなるのです。

2つ目は、「頭に浮かんだ強迫観念をコントロールしようとする」という症状です。これは、直接的に強迫行為を行う場合もあります。他にも、目の前のことに注意を向けようとする、無視しようとする、気を紛らわす、他のことを考えるなどの行動も強迫観念をコントロールしようとする行動になります。

3つ目は、「曖昧なものが苦手」という症状になります。このために、「汚れているかどうか分からない」「ドアが空いているかどうか分からない」「将来、問題が起こるかどうか分からない」「同性愛者かどうかが分からない」という曖昧な状態が苦痛になります。この場合、強迫行為として「はっきりさせる」という強迫行為を取ろうとします。

この3つの症状が頭の中でぐるぐると回る正体です。特に頭の中にずっと苦しい感じが浮かんでいるタイプの強迫症の人は、頭の中で何が悪循環を引き起こしている行為なのか分からない傾向にあります。

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