自閉性スペクトラム症

自閉スペクトラム症
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自閉症スペクトラム症(ASD)は、DSM-5にてコミュニケーションとこだわりに再編された。このことには異論がいくつかあるかもしれない。たとえば、感覚過敏をこだわりに入れていいのか?等 未解決の問題は多々あると思われる。

ASDの方のコミュニケーション障害はいろいろなレベルで起こっているため、それをしっかりとアセスメントしていく必要があると多々感じる。

非言語的な問題として、まず非言語的なサインに気がつけるか?という問題がある。たとえば、顔をそらす、話はじめに言葉がつまる、相手がせきをしている、時計を見るなどの行動を見たときに、この行動から相手の考えていることを考えることができるかという点がある。

また、顔の表情、特に目を見て、相手の感情を当てられるか?ということもある。このあたりの研究は沢山出ている。ASDの方は、相手の感情を当てる正答率も低く、相手の感情の強度を低く見積もる傾向にある。

そして、非言語的なアウトプットの問題もある。たとえば、抑揚がない話し方や、目が合わない、あっても何か奇妙さを感じるということもある。

言語・思考に関するものとしては、まず語用論的な問題が挙げられる。たとえば、「今、時間分かりますか?」と道端で聞かれたときに、聞いた人は『時間が分かるなら、教えてください』ということを意図している。このような発言に含まれていない内容をどのように推測するかを研究するのが語用論だ。ASDの方は、この語用論的な問題を持っている人が多い。たとえば、「前と同じように」「きりがいいところでやめて」「だいたいでいいよ」等のことを言われると、ぴんとこない。

上の例は、会話の中の小さな例だ。しかし、社会では暗黙のルールと呼ばれる、その集団では明示されないが、みんなが守っているルールが存在する。この暗黙のルールは、このような語用論的なコミュニケーションの中で、特定の人間によって作られる。

たとえば、ある会社では休憩に入る前に、今から休憩に行っていいですか?と必ず上司に伺いを立てなければならないとする。ここに定型発達の新入社員Aが来たとすると、初めての休み時間のときに、職場の人間が、上司に訊いている光景を目にするだろうと思われる。その際に、「上司に、きかなければならないんだ」と学習するだろう。こうやって、暗黙のルールは生まれる。もし、ときにはこの上司に当たる人物は、グループの中で影響を持つ人物かもしれない。たとえば、バイト仲間で一番長い人などだ。

ASDの人には、この暗黙のルールを説明するば、ある程度理解できる方が多い。または、ソーシャルストーリーのように、そのものを治療としたものもある。しかし、言葉で覚えていくのでは、新規場面では役に立たないこともある。そのためには、新規場面ではどうするか?ということまで踏まえて支援を考える必要があると考えられる。

言語・思考に関する他のものとしては、思考障害を持っているASDの人がいる。思考障害とは統合失調症の症状の一つだが、臨床的にはASDの方も持っていると感じる。思考障害を持っている人の話しを聞くと、話しの筋が読めず、何を言いたいのか分からない。例えば、アルバイトはうまくやれていますか?ときくと『アルバイトは、最初はなじめなかったんですよ。いろいろな仕事があって、覚えるのも大変で、こんな仕事もあるんだって思って…でも、覚えるのは好きなんですよ。こう見えても…』と話の結末が読めない方もいる。

この話は、長くなるので続く

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