ひきこもり + OCD or 発達障害

強迫症(強迫性障害)
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このパターンの患者さんも何人かいる。

この状態になると、医療機関ではお薬だけはくれるが、訪問をしてくれるわけでもなく、患者家族をサポーティブに話をきくことが多いと思われる。

認知行動療法の中には、患者家族にスキルトレーニングをすることで、本人を治療に繋げるプログラムが存在する。

元々は、アルコール患者に対するものであったが、現在は引きこもりに対して用いられることが多い。

このプログラムはCRAFTと呼ばれる。

似たようなプログラムで、発達障害児に対する親訓練(ペアレント・トレーニング)と呼ばれる方法もある。
両者共に、家族に対するプログラムではある。

何が違うかというと、年齢的に小さな子どもの場合だと、環境を構造化しやすいため、かなり大胆な方略がとれる。しかし、高校生以降、大人になると大胆な方略はとれない。

大胆な方略とは、例えば家のインターネット環境を取り去るとか、タイムアウト等を本人に使うという様な方法だ。CRAFTではタイムアウトするのは、家族の方になる。

このCRAFTの中のコミュニケーション方略が、個人的には秀逸だと思う。
以下のメモは、引きこもりに対するCRAFTから抜粋してまとめているので8つになっている。
元のCRAFTでは、7つの方略になる。

①会話する時間を短くする
長い話は、本人を退屈させる。また、過去の話しを蒸し返しやすくなる。なるだけ30秒以内に会話を終わらせる。ポジティブな終わり方をするように心がける
☓「また、そんな言い方で怒って!あなたは、昔から、こんなことを繰り返してるのよ。いつもそう。そんな言い方をしているうちは、変わらないよ」 → 「怒ったように言われると、悲しくなるから、もう少し優しい言い方をして、ちゃんときくから。」

②「して欲しくないこと」ではなく、「して欲しいこと」を伝える
禁止をされると感情的なわだかまりが生じ、どんな行動を取っていいか分からない。なるべく、して欲しいことに言葉を変えて伝える。
☓「インターネットばかりするのはやめなさい」 → ◯「時々は、外に出て散歩をしてみたら?」

③特定の行動について言及する
態度、考えを取り上げて会話を進めると変化が分かりづらい。なるべく、特定の行動を取り上げて会話を行うと、本人・家族の両者にとって変化が分かりやすい。
☓「家にいるときは、手伝いをしてよ」 → ◯「家にいるときは、お茶碗をあらってよ」

④自分の気持ちを把握する。
自分が怒りを感じた場合、それを遠回しに伝えてしまうと、相手を遠回しに非難しているニュアンスになってしまう。自分の気持ちを伝えるか否かは慎重に考える必要があるが、自分の気持ちを把握することは必要になる。
☓「そういうことをやっていると、周りの人にどう思われていると思う? あなたは、どう思うわけ?」 → ◯「そういうことをやっていると、私は悲しくなるのよ」

⑤本人の気持ちに共感する
共感がないコミュニケーションをとり続けると、相手が頑なになってしまう。本人なりの辛さに共感することで、頑なな態度に理解を示す。
☓「そういうことばかり言っていても何も始まらないよ」 → ◯「確かにこの状況だと、もうなにをしても変わらないって絶望的になると思う」

⑥部分的に責任を受けいれる
変化の過程で、本人は家族にも責任があると言う時がある。その際に、その言い分を認めることで、頑なな姿勢をとき、変化へと繋げる。
☓「お前が悪いって、いうけれどさ。そういやって人のせいにしかできないと何も変わらないぞ」 → ◯「確かに、私の言い方が厳しかったり、お前の気持ちに合わないこともあった。」

⑦悪循環に入っていることを悟らせる(自省を促す)
今の行動を続けていくとどうなるかについて、考えてもらうようにする。
☓「このまま、家にずっと居ても何も変わらないぞ!」 → ◯「このまま家にずっといたら、傷つかなくてすむかもしれない、でもそれも何十年も続くわけではないからね」「このままずっと家にいたら、10年後、20年後は、どうなっていると思う?」

⑧支援を申し出る
たとえ、援助を拒んでいるように見える人でも、何かのタイミングで助けて欲しいと漏らすことがある。また、支援を受けてもいいかなと思う時がある。そのチャンスが巡ってきた時に、支援を申しでて、なおかつ相談機関の受診も迅速に行う。最善の策は、その日に受診すること。
☓「まずは、外出することからはじめてみなさい」 → ◯ 「まずは、どんなことから手伝えそう?」「今から、明日受診できるところがないか探してみるね」

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