自閉スペクトラム症におけるこだわりは、コミュニケーションの中でも生じます。
最も典型的なものは、意見などが二者択一的であるということです。
例えば、「賛成/反対」、「敵/味方」、「成功/失敗」などのようにどちらか一つになってしまうことが多いのです。そのため、「グレーゾーンがない」と言われることもあります。
他にも、曖昧な概念を具体化する傾向があります。
例えば、「ちょっと待ってて欲しい」「ほんのちょっと砂糖を足して」などのように具体的な内容がない場合は、非常に不安になったり、その具体的な内容を聞き返したくなります。
また、意味概念の硬さがあります。
例えば、「飲み会」「打ち上げ」「謝恩会」「パーティー」「集まり」「食事会」などの言葉は互いに非常に関連性の高い言葉です。時に、適切な単語が思いつかずに、別の単語を話してしまうこともあるでしょう。その際に、何か不全感を感じる、適切な言葉に修正したくなる、適切な言葉が分からずに話の意味が分からないなどのことが生じます。