認知行動療法からみたためこみ症の病態

認知行動療法
Pocket

Randy Frost 先生の講演の抄訳です。

ためこみ症の認知行動療法モデル

1.生物学的脆弱性
遺伝的な脆弱性が指摘されているが、まだ良くわかっていない。

2.心理学的脆弱性
半分の患者が抑うつを訴える。ためこみの結果、抑うつを訴える理由はまだよく分からない。

3.情報処理の欠如
いくつかの問題が指摘されている。
ためこみ症の人は、ADHDの症状を持っているか、ADHDに近い症状を持っている場合が多い。そのため、何かを購入する際に、家に空きスペースがあるか等の複数の問題を考えることができずに、「欲しい」という衝動に従ってしまう。
カテゴリー化することの障害:通常、人はどこにどんなものを収納しているかなどのマップを持っているが、ためこみ症の人は、そのマップができておらず。どこに、どんなものがあるかを把握していない。

4.ため込んでいるものに対する感情的執着と信念
ため込んでいるものに対して感情的な執着があり、捨てることができない。

5.学習過程
学習心理学でいう負の強化(回避学習:嫌なことを避けてよい体験をすると避けることが増える)で捨てないという行動が学習される。
また、集めることで楽しいと感じ、拾ってくるという行動も強化される。
通常、貯めておくという行動は、再利用するという目的のために行われるが、ためこみ症の人は、自分の幻想に入るために溜め込んでしまう。

次は、いよいよ、ためこみ症の治療(認知行動療法)についてです。

参考:ためこみ症を認知行動療法でどう治療するか? 家族の対応から、本人の治療まで

Pocket

タイトルとURLをコピーしました