今回紹介する方法は、強迫性障害以外に知的障害、自閉スペクトラム症などの合併がある場合によく用いる方法です。
強迫性障害がひどくて生活が非常に障害されている場合にこの方法をとります。生活が障害されているレベルとは、とても混乱しやすく、パニックになりやすい状態です。
こういう時は、暴露をしても、パニックになるだけでエクスポージャーが上手く行きません。
このような時は、手順を省いたり、簡素化したりと強迫観念が出現しないような環境づくりをします。
例えば、洗浄強迫であれば、手洗いに失敗しないように、水の勢いを調整したり、落ち着いた場所で手洗いができるようにします。
確認強迫であれば、確認するものが少なくてすむように、使わないスイッチは、カバーをかぶせておく、落し物が気になる場合は、物を持っていかないなどです。
数を数えてしまう場合は、数えるものをすくなくするなどです。
ポイントは、手順をどうしたら省けるか、簡素化できるかという点と、手洗い・確認をする時は、ゆっくりする・余計な不安が出ないようにするという方法を考えます。
行動分析で考えると、先行法とか刺激統制法と呼ばれる方法です。
精神医療では環境調整と呼ばれるかもしれません。
そして、このような方法をとった後が本当に大切です。
この後に、一つの刺激に絞ってエクスポージャーを行なっていきます。
しかし、この時の刺激の絞り方が少しコツが入ります。というのも、複数の要因が混入してしまうと、再び混乱してしまうためです。