暴露しているはずなのによくならない理由:消極的な暴露と積極的な暴露

強迫症(強迫性障害)
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強迫性障害に対する認知行動療法は非常に広まってきています。これはとても良いことです。

自分で認知行動療法をしている方も多いと思います。その中で、よくある間違いの一つとしては、
消極的な暴露を暴露儀式妨害法だと思っている人がいることです。

例えば、トイレから出てくるときに、「あっ手をあらわないと…」と思い、手を洗わずに出てくることが消極的な暴露の例です。

消極的な暴露は、機会を待たなければなりません。そして、嫌な場面に直面するというより、我慢することに主眼が置かれるのです。

強迫性障害は強迫行為を制御できない病気なのです。多くの人は、強迫行為をしないようにしようと挑戦していますが、挫折してしまいます。消極的な暴露は、実はこの強迫行為を我慢する日常生活でしていることと変わらないのです。

一方、積極的な暴露とは、自分が苦手としている場面に自ら挑戦します。そうなると消極的な暴露よりも必然的に難しい課題になります。難しい課題になるということは、それだけ、嫌だという感情が強いのです。

そして、この嫌だという感情が強くないと実は、下がったことが実感できないのです。

消極的な暴露をした人は、1-2日間、強迫観念が消えなかったりします。良くならないと訴える人も多いです。強迫性障害は治らない、行動療法は無効だと思う方もいると思います。

そりゃそうです、強迫観念は減らないし、強迫行為はしたくなるし…。

しかし、それは、「もう、手洗いは意味のない行為だから辞めようと我慢している」ことと同じことをしている可能性が非常に高いのです。

認知行動療法を始めるまでに何10年もたっている人は消極的な暴露から始める人もいます。

しかし、私ははっきりとこれだけでは良くならないかもしれないと伝えます。それは、この方法で良くならなかった場合に、認知行動療法を諦めないようにするためです。

是非、積極的な暴露儀式妨害法をしていきましょう。

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