強迫性障害の治療:なぜ、不安階層表を作るのか?

強迫症(強迫性障害)
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強迫性障害に対する認知行動療法では、一般的に不安階層表を作成します。
不安階層表とは、その状況がどれだけ不安かを0~100で評価し、それを表にしたものです。
この不安の程度を認知行動療法ではSUDと呼びます。

この不安階層表の作り方としては、0と100を決め、50を作り、10刻みで作っていくと作りやすいと思います。というのも、最初はなかなか70とか80とかいう感覚が分からないためです。
一般的な治療では、このSUDが60~80の点数のものから課題としていきます。

さて、この不安階層表は、治療が上手に行っているかどうかの進捗状況が分かるツールでもあります。同じ項目で、何セッションか後にもう一度不安階層表を作ってみるのです。
そうすると、治療がうまくいっていれば、SUDの値が下がってきます。

また、SUD70の課題を練習してSUD40くらいまで減ると、SUD90くらいの課題がSUD60くらいまで減るかもしれません。そうしたとき、この課題は同じような種類であると考えられます。

一方、たの課題のSUDが下がったのに、ある項目のSUDが下がらない場合、その項目は違う種類の強迫である場合があります。このような場合は、別のエクスポージャーが必要になるのです。

不安階層表を作成すると、このような変化や治療上の有意義な点が見つかります。

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