診断閾値下の強迫性障害という問題:子どもと大人の強迫性障害は違うのか?

強迫症(強迫性障害)
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20代の前半に強迫性障害が発症している人は、小学校くらいの時から症状が出ている人が多いのです。小・中学校の時は、なんとかごまかしてやっていたが、ある時からごまかせなくなってきてしまい、本格的に強迫性障害に移行する人が多いです。

一方、成人してから強迫性障害が発症する人の中には、思い返せば、小・中学校のときに、そういうことが気になっていたと話す人たちが、います。

この人たちは、手洗いが長かったり、確認を何度もしていたけれど、いつの間にか消えていったと話すことが多いのです。このまま、治ってしまった方を捕まえるのは難しいので、一体、どれ位の割合が小児期の強迫性障害様の症状を寛解させるのかは、まだよく分かりません。

また、成人で強迫性障害を主訴に受診される方の何割かは、実際の生活にそこまで影響がない人がいます。もしかすると、芸能人で強迫性障害を告白している人の中には、こういう人もいるのかもしれません。

この人達は、ある程度、強迫行為をしているのですが、あまり悪化することなく、生活に支障がでない状況をキープできます。まだ、この辺りはよく分かっていないのです。

ある時、研究の一貫で、高齢発症の強迫性障害について調べたことがあります。高齢発症の強迫性障害は、ほぼ器質性のものであることが分かっています。

つまり、脳血管障害か、認知症(特に前頭側頭葉変性症)だそうです。

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