弁証法的行動療法 2

認知行動療法
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(スライドの訳注:ClientとTherapistのバランスを保つ)それで、私はこれを解決しないといけないと思いました。一つの解決方法は、治療チームを治療の一部であると定義することでした。私は、治療チームを作ったわけではありません。治療チームはセラピーの一部分だと定義したのです。なぜなら、私があなたがたに話すことの中に自分では気づかない気持ちがあるかもしれないからです。多くの人がそうだとは思っていませんが…。私の知識では、単一無作為割付試験において、治療チームをセラピーの一部としなかった研究はないと思います。そして、治療チームはセラピストが実施している治療を続けられるようにサポートするのです。その際、治療効果のアセスメントが常になされていること、グループをまとめることの二つのことが必要になってきます。あなたはある時はスーパーバイザーであり、チームになります。そうすることで、セラピーを続けられます。また、あなたがセラピーを共同でしている時に、なぜ上手くいかないのかという疑問を感じることができます。なぜ、こんなことができるのでしょう?私たちは、治療の全てを共同することはありません。私たちは、一緒に動きますが、自分がセラピーをしているチームを離れ、自分自身に問いかけることがあります。セラピーを見直し、それを話し合います。そういうことが、チームを治療の一部とみなすことなのです。私はこのような治療方法を発展させました。もし、チームを持っていないならば、セラピーをしていると言えないのです。本質的には、チームはセラピストを治療していると言えます。セラピストを治療モデルに組み込んだのです。全ての場合において、私はこのようにすべきか?と聞かれれば、私は恐らく違うというでしょう。しかし、ハイリスクで、コントロール不能、治療困難、多くの診断を持つ自殺しそうな患者を持つ場合は、このようにすべきだと思います。セラピストがバーンアウトしてしまう為です。

次なる問題は、自分の研究で助成金を獲得することでした。私は、自殺について研究をしていましたが、それを研究する限り、助成金は取れなかったのです。そこで、誰かが私にBPDの研究を当たってみなさいといいました。私のマニュアルにはBPDという言葉が一度も出てきませんでした。なぜなら、私はBPDを知らなかったのです。そこで、わたしはBPDや大うつ病(MDD)について調べました。すると多くの私の患者は、BPDの診断基準に当てはまりました。その時、NIMHの協力者が私に言ったことを今でも覚えています。私は、「大うつ病ではなく、BPDを研究する。」と言ったのです。その時、彼は「マーシャ、君は大きな間違いをすることになるよ。」と言ったのです。私は忘れもしません。「私はなんでもする。」と言いました。すぐに、大きな間違いではないことが分かりましたが、明らかな問題がありました。BPDのモデルを私は作らなければならなかったのです。いかなる行動学的モデルも生き残っていなかったのです。BPDを精神分析的に考える人達はいました。私は精神分析的なものはあまり読んでいないのです。というのも、精神分析的なものを読んだときに、あまり役に立たないと感じました。なぜなら、行動科学としてとらえる私の考えや、そういった行動科学としての理論から大きくかけ離れていたからです。とにかく、治療を行うためには理論を持たなければなりません。私は、自殺の理論を持っていましたので、BPDに関する理論が必要でした。それも包括的な…。

そこで、私はたった三つだけ基準を作りました。効果的な治療を行うことができること、軽蔑的ではなく思いやりを引き出すこと、最新の研究データと相性がいいことです。それで、私の基準はそれだけです。データが変われば、理論を変更すればいいのです。

(スライドの訳注:BPDは、広汎性の感情調節機能の障害である。BPDの診断基準は、感情調節についてか、感情調節の機能不全の結果生じるものである。)私は全てのキャリアをかけて基本的なモデルを作りました。そして、データとして結果を出しました。しかし、これからもこの点については、データを出していくでしょう。今日おはなしできることは、その一部なのです。BPDは、広汎性の調整機能の障害なのです。この広汎性の障害は、感情調整機能についてです。感情を総合的なシステムとして考えてください。全ての人間の反応は感情的な反応です。感情を思考や生理機能などの一側面であると捉えてください。そうすることで、感情的な反応は行動と捉えることできます。BPDの診断基準についてよく見ればわかりますが、感情調整機能についての診断基準、自傷行動はとても感情を調節するのに有効なのです。みなさんは、信じないかもしれませんが、自殺をする人にだって同じことがいえます。彼らは、本当に死ぬような時に感じるような感情を、その瞬間には感じません。私は、自分の患者に、このことを指摘したことがあります。また、自殺行動は、感情調節機能の不全から自然に起こる行動なのです。感情調節が行わなければ安定した人間関係が作れません。例えば、ある日は誰かを嫌い、次の日にはその人を愛すること、ある夜に映画に行こうとしていたのに、次の日には行きたくないというなど…。言い換えると、人間関係、自分に対する感覚など多くの診断基準が、感情調節には関係しています。私たちは、基本的な感情と上手くやっていかなければならないのです。

(スライドの訳注:生物学的な感情調整障害[Biological Regulation Disorder]と認証されない社会的環境[Invalidation Social Environment]とを相互作用という点でバランスをとるモデルを考える)私の解決方法は、治療理論を発展させることでした。私が話さなければならないことは、生物学的な感情調整機能のことです。私は、生物学的な基板があると考えることに抵抗を持っていません。BPDは生物学的な基盤なしには生じないのです。私は間違っているかもしれません。しかし、私が今まで見てきた経験では、そうでした。
認証されない(訳注:invalidatingは認証されないと訳されているが、「認めたくない」という意味)社会的環境と結びつけると、社会的環境との間に様々な特徴があります。認証されないことは、多くのことを隠してしまいます。しかし、いままでのところ、私は自分の理論を変えることはしませんでした。認証されないことを、認証される必要があることであると捉え直したのです。しかし、注意しなければいけないことに、更に調査が必要なのです。私達の研究には、とても制約があります。他の病理研究と同じように、精神障害とは、相互作用(transaction)を持っています。相互作用も弁証法も非難すること相容れないことは明らかです。AさんがBさんを作り、BさんはAさんをつくる。そういうことです。家族が病気を作るわけではありません。病気が家族を作り、家族が病気を作るわけでもありません。家族ではないのです。環境なのです。常に私たちは、相互交流を持っています。弁証法と相互作用に基づいて病気を考えた際には、必ずしも家族である必要はないのです。私は基本的な行動療法にいくつかの点で改良しました。残りの少ない時間でみてみましょう。

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