公認心理師:矢野宏之

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  • 返信先: 医者に恨み #3079
    公認心理師:矢野宏之
    キーマスター

    お返事、遅くなって申し訳ありません。

    リスペリドンをどういう意図で処方したのか、当時はどういう状態像だったのかわかりませんが、おそらく、色々な考えがわーっと広がって収集がつかない状態だったのではないかと思います。

    >考えとして「嫌い。怖い。汚い」がごっちゃになってるのもわかります。
    >嫌いならそれでいいはずなんですが、どうもそれが汚い、除菌だ。
    >という考えになるのも不思議でして。

    という部分は、強迫症ではよく起こる現象ではあります。
    ここは、強迫症としての治療も必要ですけれど、心理的な心の整理も必要な部分ではあります。

    嫌悪という感情は汚いという感情と結びつきやすいのですよね。
    そして、嫌悪というのはかなり身体的な感覚と結びついています。
    曝露ということも必要ではありますが、なかなか現状では難しいとは思います。

    この辺り、もう少し、話をきいてみないとわからない部分もありますが、ソマティック・エクスペリエンシングなどのトラウマの治療が役に立つこともあります。

    『怒り』という感情は、その感情を見つめていてもなかなか整理されていきません。一つの解決方法は、『失われたもの』がなんなのかを整理していくことです。
    おそらく、その医師によって、自分の中で失われたものがあるかと思います。その部分を誰かと共有して、分かってもらえたと思ったとき、その気持は整理されてくると思います。

    返信先: 医者に恨み #3072
    公認心理師:矢野宏之
    キーマスター

    この問題は、個別性が高すぎるので、この掲示板での回答は、あくまで参考程度にしてください。

    最初の精神科での薬物療法に関しては、詳細が分からないのですが、主治医の説明不足だと感じる部分があったのですね。

    そして、主治医が嫌悪の対象になり強迫症の症状が悪化したのですね。

    『薬服用後は一時的に状況が下がる。そこから上がっていく仕組みだから薬的にしょうがない。』という部分、どういう説明であったのか不鮮明ではあります。

    一般に強迫症の治療薬は、SSRIになり、SSRIの容量はうつ病にくらべて高用量になるため、薬の増量を早めに行わないといけないことにはなります。SSRIでは、たしかに不安という副作用が出ることはあります。また、服薬は継続的に行わないと治療効果は維持されず、減薬をする場合は再発のリスクがあります。このあたり、自分の気持ちの整理をするために、正しい知識が必要になることもあるかもしれません。

    ただ、ガイドラインに沿った治療であっても、副作用が出たり、様々な問題が出てくることはあります。本来であれば、そのリスクを説明し、意思決定を一緒に考えていく必要がります。これを最近の医療では、共同意思決定と言ったりします。

    しかし、現在の精神科の医療制度では、この共同意思決定に十分な時間が避けずに、説明されていない弊害が起こって、『そんなことが起こるのであれば、その選択肢は選ばなかった』となる事例は多いと思います。

    医薬品副作用被害救済制度というのもありますが、この対象にならない方もかなりいらっしゃいます。https://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/

    また、このような相談のために医療安全に関する相談窓口が各都道府県ごとにあります。
    https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/sodan/madoguchi.html

    気持ちの整理についてですが、怒りというのは、気が済むまで相手にぶつけても解消しない場合が多いです。
    トラウマの治療として、『怒り』の感情がない場合は、『怒り』を感じられるように練習していく(自己主張できるようにしていく)ということは必要ですが、『怒り』が積み重なる場合、『怒りを表出』しても、それは解決にならないことが多いです。

    その場合、自分自身がこの件によって、失ったもの、苦しんだことを整理していくことの方がケアには必要になってきます。この場合、回避行動により生活に大きな制限ができてしまったことです。このような苦しみを1人で抱えていることが一つの苦しみになると思います。

    また、この副作用のこととは別にご自身の強迫症が改善していないという点がよりこの問題を複雑なものにしているのかもしれません。そのため、適切な強迫症の治療をうけていくことも必要になるかもしれません。

    返信先: 嫌悪が主体の強迫症 #3065
    公認心理師:矢野宏之
    キーマスター

    嫌悪主体の場合、まず、曝露の回数が大事なのですね。
    嫌なものに30分触るよりも、5分間かもしれませんが10回触ったほうが効果があります。

    また、嫌悪の背景は、嫌いなので、『好き』の中に多少混じっていると楽になることがあります。

    また、嫌いだと思っているものの情報を知ることで、意外と嫌いが克服されることもあります。

    参考
    https://rara.jp/behavior/page916

    このような新しい知識を得る以外だと、「嫌悪」を感じているときって、ざわざわしているのですよね。

    このざわざわを落ち着ける方がよいことが多いです。
    この辺は、動画にしているので、そちらを参考にしてもらうほうがよいです。

    たぶん、2つ目の動画の方が分かりやすいかなと思います。
    こういう感情調節を曝露の前や曝露中にやると、曝露の苦痛やハードルが下がります。

    返信先: 息子(8歳)の雨に対する不安について #3059
    公認心理師:矢野宏之
    キーマスター

    もう少し、きかないとわからないところもあると思いますが、たぶん、強迫行為ではないと思います。
    強迫行為の場合、反復するのですね。例えば、天気予報を確認した後に、見落としているんじゃないか?と思い、天気予報を見直すとか、特定のルールを伴ったやり直しが出てくると強迫行為かなと思います。
    ASDのこだわりと強迫症の強迫行為が違う点は、ASDは構造化し、ルールを決めると落ち着いてきます。例えば、「雨の日は、こうしようね」と決めるなど。しかし、強迫症の強迫行為は、「もしかしたら…」「万が一…」とリスクが怖くて強迫行為を反復するので、構造化しても症状は改善しません。例えば、「雨の日には、この格好で行こうね」と決めても、「本当にその格好で大丈夫なのだろうか?」と調べたり、質問したりを繰り返します。

    認知行動療法の曝露として、ASDの感覚特性を慣れさせていくという方針は、あまり使わないほうがいいい気がします。むしろ、苦手なものはしっかりと避けられるという安心感を持ったほうが、苦手なものに触れられるという発想の方が良い気がします。
    この辺り、科学から理解する自閉スペクトラム症の感覚世界/井手正和 という本がとても参考になると思います。
    曝露というより、心理的な安心感を持つと、感覚過敏が緩和するという発想のほうが実践的だと思います。

    返信先: これは強迫症の症状ですか? #3058
    公認心理師:矢野宏之
    キーマスター

    この場合の曝露は、メモにデタラメを書いていくということが曝露になります。
    例えば、手を洗ったのに、脚を汚してしまった とか、そういうでたらめなことを書いたりします。
    そして、メモを書いたら、捨てるということもやっていくと良いと思います。
    おそらく、「保存する」ということが強迫行為になっているので、「手放す」という事が曝露になると思います。

    返信先: これは強迫症の症状ですか? #2997
    公認心理師:矢野宏之
    キーマスター

    >それまで毎日続けていた強迫行為が、ある日ふと「もうこれしなくてもよいのでは?」とあっさりやめられそうになります。
    これはどういう状態なのでしょうか?

    こういうことはあまり起きないとは思います。
    ただ、その次に続く内容をみてみると、結局のところ、強迫行為をしているので、結局は「やめてもいい」と思ったけれど、やめていないということになるのかなと思います。

    例えば、一般的な洗浄強迫の方で曝露をしていて、『あ、後で洗えばいいか』とふと気づくと、その時点でふっと楽になるということはあります。でも、これは本質的な解決にはなっていないのですが、その場では楽にはなります。

    >・自分の強迫観念を分析してしまいます。

    強迫症には、不確定性への非耐性という中心的な症状があり、曖昧なことをはっきりさせたいという衝動に駆られるのです。そのため、このように「全てを理解していないともやもやする」という現象がおきます。
    これは、強迫行為になります。

    >・曝露に挑戦した際の話なのですが、「強迫行為をしない」を選択したとたんに猛烈に寂しさのような感情が浮かんできて、気持ち悪くて落ち着かない時や名残惜しさを感じる時がありました。

    強迫症の方にとって苦しい感情は色々あります。例えば、『手を洗っていないと不安』『手を洗っていないと、なんか嫌だ』『人を傷つけてしまったかもしれないという罪悪感』等色々あります。「寂しさ」に関して言うと、強迫症から分離された病気として「ためこみ症」という強迫症関連疾患があります。ためこみ症はものが捨てられないという病気ですが、捨てようとすると強烈な寂しさが襲ってきます。
    そのため、「寂しさ」が強迫観念の感情として出てきてもおかしくはないです。
    ただ、典型的ではないので、その部分、何か別の心理的要因が絡んでいるのかもしれません。

    >調べてもわからないとこれは何?と考え続け、もしかして自分の症状は強迫症ではないのではないのか、じゃあ何なのだろう

    蒼灯さんのような症状は、メタ強迫症と呼ばれたりします。
    自分の症状が強迫症に該当するのかどうか?という疑問がずっと続いたりするような状態です。一定数、いらっしゃいますよ。

    返信先: 充電器の曝露、について #2971
    公認心理師:矢野宏之
    キーマスター

    メールアラートが上手く機能してなかったみたいで、お返事、遅くなりました。

    曝露、頑張ってますね!
    まずは、寝る時にさしてみるというところからやってみるのはいいと思います。
    強迫症は、『万が一』が異常に怖くなる病気でもあります。
    短時間からの外出、是非頑張ってみて下さい!

    「やっていいのか迷う曝露」というのは、強迫症の症状として心配が出てきているから迷うのですね。
    例えば、『動物のフンを舐めて下さい』という課題を出したら、『それは、無理です』って言うと思うのです。
    そして、それは曝露ではないのですよね。

    『やっていいのか迷う』ということは、『やっても大丈夫そうだけど、万が一のことが怖い』という心理が働いているので、やってもいい曝露になるのです。
    本当にやったら駄目なことは、『できません』ってなると思います。

    外出時の曝露も頑張ったのですね!
    いいと思います。こうやって、一つ一つクリアしていくと自信が持てますね!

    返信先: 充電器の曝露、について #2967
    公認心理師:矢野宏之
    キーマスター

    曝露しようとすることが、本当に危険な行為なのか心配になることはあると思います。
    充電器を挿しっぱなしにするなどは、やったほうがよい曝露になりますよ。
    基準としては、『やっていいのか迷う曝露」は、やったほうがいい曝露だと思って下さい。

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