ゴミ屋敷を科学する。溜め込み症の原因

ためこみ症(強迫症)
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溜め込み症は、基本的に捨てることに苦痛を感じる病気ですが、Frostは以下の3つが溜め込み(Clutter)を生み出すことを指摘しています。

・収集(Acquisition)
通常、人々は色々な情報をシャットダウンしている。例えば、新聞紙はちらっと見るけれど、買わないなど、立ち読みで済ませることもある。しかし、溜め込み症は、拾ってきてしまう。

・貯蓄(Saving)
溜め込み症の人は、ものを同じ理由で溜め込もうとしてまう。その理由とは、情緒的な繋がりを感じる、何かに役に立ちそうな気がする、個人的な好みという3つだ。例えば、紙を貯めこんでしまう患者にFrostが治療を行なった時に、いらない封筒をゴミ箱に捨てさせた。その時に、彼女は泣き出してしまった。「私には、何も残っていない…」と。この封筒は、彼女にとってもとても情緒的な繋がりを感じるものだったのだ。この貯蓄とは、苦痛を感じないようにするための回避とも言える。何かに役に立ちそうな気がする例としては、壊れてしまった冷蔵庫も何かに役に立つ気がして捨てられないという例。個人的な好みとしては、ペットボトルの蓋がとても美しいデザインのように感じてしまい溜め込んでしまう。

・無秩序(Disorganization)
例えば、ため込んだものを整理して取っておいた場合、これは適応的な行動だとみなされるだろう。しかし、溜め込み症の場合は、無秩序にしてしまう。例えば、散らかっている中から重要なお金などのものが発掘されることもある。このように重要なものと重要でないものを整理できないという問題が生じている。

次は、もっと広い視点で、ためこみ症についてまとめます。

参考:認知行動療法からみたためこみ症の病態

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