強迫症の認知理論:考え方の癖

強迫症(強迫性障害)
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強迫症にも、考え方(認知)の問題があることが知られています。

責任と脅威の過大評価

 これは、確認強迫の方が持っていることが多い認知的特徴です。例えば、「鍵を確認し忘れると家に泥棒が入りお金が盗まれるのではないか?」などのように考えてしまうことがあるかと思います。しかし、家に泥棒が入る要素は鍵以外にも無数にありますし、泥棒に入られたからといって鍵の確認を怠ったことを責められることはなかなかありません。しかし、強迫症の特徴として、このような責任を過大評価してしまうことが指摘されています。

完全主義と曖昧さ不耐性

 洗浄強迫の方の場合は、得体のしれない水滴に触るのが怖い方がいます。しかし、「水道水だよ」と言われると、触れたりします。また、手洗いを完璧にして、汚れがない状態を目指そうとします。1%でも汚れがあると、不安になってしまうのです。

思考の重要性とコントロール

 強迫観念は、時としてなんの脈絡もなく頭の中にふっと湧いて出てきます。しかし、このような現象は強迫症だけでなくともよく生じる現象なのです。しかし、強迫症の方は、このような思考をとても重要なものだと考え、コントロールしなければいけないと考えてしまう傾向にあります。

このような自分の思考の特徴に気づいていくことも治療では重要になってきます。

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