嫌な想像が頭から離れない「想像型強迫」

強迫症(強迫性障害)
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このタイプは、頭の中に受け入れられない考えが湧いてくるタイプです。そして、その強迫観念に対して、頭のなかで打ち消しや反芻などの強迫行為を行うことが多いタイプです。その為、目に見える強迫行為を持っていない場合が多いのです。かつては、純粋強迫観念と呼ばれるように強迫行為を持っていないタイプと言われることもありましたが、頭のなかで強迫行為を行っていることが分かってきました。想像型強迫には幾つか大きなテーマが分かれます。

 

攻撃性に関するもの

よくあるものは、「自分が知らない間に人を傷つけてしまっているのではないか?」「店に入った時に知らない間に、ものを盗んでいるのではないか?」「知らない間に悪口を言ってしまったのではないか」「人を非難することを言ってしまったのではないか?」「知らない間にレイプをしてしまったのではないか?」などのものです。

通常、このような強迫観念がある方は、確認強迫という形で出ることが多いのですが、想像型強迫の方は確認強迫があまり目立たず、頭の中だけで強迫行為をおこなっていることが多いです。頭の中で確認をしていることもあります(メンタルチェッキング)です。もしくは、『人を傷つけたのだったら、何か文句を言われるはずだ』のように、なんとか頭の中に浮かぶ考えを否定しようとします。確認強迫がもともとあった人が、確認行為が薄まるとこのような状態になることもあります。

 

性に関するもの

「実は自分はホモ/ゲイ/レズなのではないか?」「性的異常者なのではないか?」「小児愛性障害(ペドフェリア)なのではないか?」「知らない間に、妊娠してしまったのではないか?」「知らない間にレイプされたのではないか?」などのように自分自身の性に関するものです。これも確認強迫として出てくることもありますが、多くは『そんな訳がない…』という打ち消しと『もしかしたら、そうなのかな…』という強迫観念を揺れ動く反芻をしていることが多いです。

 

人間関係に関するもの

「自分は、恋人としてふさわしくないのではないか?」「本当の私は子供のことを愛していないのではないか?」「私は、両親のことを本当は愛していないのではないか?」などのように自分が他人に関して思う感情や人間関係に疑いを持っているタイプです。

以上のようなタイプ以外にも、「私は、神に背いた人間なのではないか?」などの自分自身のことや世界のことに関して疑問を持ち、その疑問に悩み続けている状態は想像型強迫ではよくあります。

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