縁起強迫とは、何かの縁起をかつぐために、特定の行動を繰り返す強迫です。例えば、毎時間、神棚に祈る等です。こういった強迫行為を阻止されると不吉なことが起こるのではないかと思い、強迫行為をしないといけないと思います。
強迫観念・強迫行為として、他人からは、縁起的かどうか分からないものもあります。例えば、道順や、部屋の入り方、特定の動作などが縁起強迫の対象になる場合もあります。このような場合、発見が遅れる場合があります。
縁起強迫は、文化的な背景を多分に受ける強迫と言えます。日本では、4,9の数字が嫌われますが、欧米では13になったりします。
また、縁起強迫の人は、自分が行なっている行為に不合理感がない人もいます。「しないと、不幸なことが起こる。しないと、嫌だ。」等です。そのため、認知行動療法の導入が少しむずかしい場合があります。
また、認知行動療法をとても罰当たりな行為だと言われてしまい、なかなか導入できない場合もあるのです。
そういう場合は、縁起的なことを守りたいのか、縁起をかつぐためにしている行動によって生活上支障が出ていることをとるのかを常に選択してもらうようにします。(動機づけ面接法です。)
暴露儀式妨害法としては、最悪なストーリーやバチあたりな行動をするというものがよく行われます。数字の4等が不吉だと感じる場合は、4本指で色々なものを触ったり、なんでも4回に関連した行動をするという練習をします。