スライド
弁証法的行動療法は、基本的な認知行動療法に何を付け加えたか?
1.受容(Acceptance)と変化(Change)を統合すること
2.ある理念に基づいた、エビデンス・ベーストなセラピーである
3.セッション内の行動に焦点を当てる
4.深刻度と脅威によってステージを決めること
5.自殺の危険性と、そのアセスメント・プロトコル
6.スキルに基づいた、エビデンス・ベーストな治療法+マインドフルネス・スキル
7.チームをセラピーの一部であるとすること
受容と変化のバランスを持つこと…これを覚えておいてください。理念に基づいたエビデンス・ベースト・セラピーであること…私は、理念に基づいたアプローチに、治療プロトコルを持ち込むことで、新しい治療法を生み出すことができると信じています。セッション内の行動に焦点を当てること…深刻度と脅威によってステージを決めること…BPDの患者は統制された治療ステージに割り当てられます。自殺のリスクとアセスメント…私達が発見した自殺危険因子はコントロールできるものだと信じています。スキルに基づいた治療…言い換えれば、私はエビデンス・ベースト・セラピーやマインドフルネスから色々なものを流用したわけです。そして、チームをセラピーの一部であるとすることです。
それで、臨床試験ではどうなっているのか?この治療法は、現在効果があることが分かっています。しかし、この治療法が有効であると分かってもらうまでは、時間がかかりました。現在の問題は、どうして効果があるのかということです。私たちは、9つのBPDに対するRCT(無作為対象割付試験)を持っています。DBTはBPDを離れ、現在は他の疾患についても応用され始めています。例えば、薬物乱用等です。これらは、効果があるかは、まだはっきりしません。
さて、DBTにはどんな要素があるかについてお話しします。まず、基本的な治療は個人DBTです。そして、スキル・トレーニング、セラピストの電話による行動的なコーチ(訳注:24時間の電話コンサルテーションがDBTにはある。)、そしてチームです。この4つは全てチームで動きます。今日はスライドを持ってきていませんがデータについてお話しします。素晴らしい研究がNIMHから出ています。
私たちは、難治性のうつ病についてスキル・トレーニングが有効であるかについて試しています。また、DBTは摂食障害についての研究をいくつか持っています。そして、BPDの様々な問題…薬物乱用等にも取り組んでいます。薬物乱用には、少し効果があるようです。また、うつや不安に対しても少し効果があるようです。DBTは、まだ完全ではありません。例えば、不安障害では不安を治療の対象にしなければ上手くいかないでしょう。不安に取り組むには、自殺行動がなくなった後ですが…。そこで、私たちはプロロングド・エクスポージャーをDBTに導入しました。そうすることで、不安障害にも取り組む道がひらけています。私たちは、ある理念に基づいた治療を行うのです。そして、どのようなモジュールを持ち込むかについて研究をしていきます。ありがとうございました。