今回は、ミッシェル・クラスケの曝露を最適化する方法についての講演会を翻訳します。クラスケは、曝露療法が上手くいかないポイントとして自然的回復に注目し、その自然的回復を最小限に抑えるための基礎実験を行っています。これは、現在は強迫症の治療にも応用され、強迫症の曝露の方法もかなり変わってきています。
元のビデオは、以下になります。
以下が字幕のデータです。
0:00:12.360,0:00:16.660 丁寧なご紹介ありがとうございます 0:00:16.660,0:00:21.700 自分の仕事を紹介できることはとても嬉しいです 0:00:21.700,0:00:26.980 私の研究は大きく3つあります 0:00:26.980,0:00:34.200 不安やうつへリスクファクターを調べること 0:00:34.200,0:00:37.650 もう一つの研究は、エビデンスに基づいた治療を 0:00:37.650,0:00:45.320 プライマリーケアなどの臨床現場で実現すること 0:00:45.500,0:00:48.280 3つめは、Jacj Rahmanの指導下で始めたもので 0:00:48.280,0:00:53.020 治療のメカニズムや 0:00:53.020,0:00:57.460 特にエクスポージャー療法のメカニズムについてです 0:00:57.460,0:01:02.580 これが今日の話題です 0:01:02.720,0:01:07.300 エクスポージャー療法とは、外的・内的に 0:01:07.300,0:01:19.400 私達が避けているもの、恐怖しているものに直面することです 0:01:19.400,0:01:25.060 私達は、エクスポージャー療法を3つに分けています 0:01:25.060,0:01:29.200 現実暴露は自然な状況に対してです 0:01:29.200,0:01:34.380 ロス近くのかわいいハイウェイで 0:01:34.380,0:01:37.800 渋滞にあっているなどです 0:01:37.820,0:01:45.220 想像暴露は、トラウマ記憶や 0:01:45.240,0:01:51.200 破局的イメージ、強迫観念に関するものへの暴露です 0:01:51.200,0:01:59.280 内部感覚暴露は、身体感覚に対してです 0:01:59.289,0:02:03.720 例えば、この写真のようにくるくる回ったりします 0:02:04.140,0:02:11.050 エクスポージャーに基づく治療のメタ解析は 0:02:11.050,0:02:15.730 たくさんあり、暴露単独や、組み合わせとして 0:02:15.730,0:02:21.849 認知的戦略、身体的戦略などが比較されます 0:02:21.849,0:02:25.300 暴露以外の戦略は大差ありません 0:02:25.300,0:02:29.920 しかし、エクスポージャー療法は、非常に有効です 0:02:29.920,0:02:34.940 不安障害の全てにおいてです 0:02:34.940,0:02:40.160 しかし、欠点も幾つかあります 0:02:40.300,0:02:49.260 まずは、エクスポージャー療法への拒否です 0:02:49.260,0:02:55.080 ここがオーストラリアでのデータです 0:02:55.090,0:02:58.990 治療に参加した30%が治療を拒否し 0:02:58.990,0:03:03.730 30%程度が治療を脱落する 0:03:03.730,0:03:08.080 治療からの脱落については、 0:03:08.080,0:03:12.790 エクスポージャー療法の話です 0:03:12.790,0:03:16.540 他の治療法では、13-5%です 0:03:16.540,0:03:22.040 治療脱落は、長いこと触れられてこなかった 0:03:22.040,0:03:26.360 しかし、私が重要視する問題はこれです 0:03:26.360,0:03:29.240 治療に反応しない場合 0:03:29.240,0:03:31.240 私は、全ての研究をみてみました 0:03:31.240,0:03:34.760 不安症に関する全ての研究を調べました 0:03:34.760,0:03:38.400 全ての不安症に関するエクスポージャー療法です 0:03:38.400,0:03:42.500 そこで、どれくらいの割合で 0:03:42.500,0:03:46.620 臨床的な改善が起こっているのか調べました 0:03:46.780,0:03:50.900 その結果、40-50%は治療に無反応でした 0:03:50.900,0:03:53.500 これには驚きました 0:03:53.500,0:04:01.580 40-50%が治療に臨床的に信頼できる変化を起こさない 0:04:01.600,0:04:06.500 その理由の大きなものとして恐怖の復帰がありました 0:04:06.500,0:04:08.900 この問題から私は自分の研究を始めました 0:04:09.580,0:04:13.100 辞書的に考えると、恐怖の復帰とは 0:04:13.100,0:04:17.120 エクスポージャーで治療が終わった後に 0:04:17.120,0:04:20.240 暴露をした刺激に対する 0:04:20.240,0:04:22.900 患者の恐怖が再び出現するものです 0:04:22.900,0:04:25.260 これは、本質的には再発ではありません 0:04:25.260,0:04:29.780 暴露した刺激に対してのみ生じるのです 0:04:29.780,0:04:32.760 大きな疑問が出てきます 0:04:32.760,0:04:36.740 エクスポージャー療法のメカニズムとはなんなのか? 0:04:36.740,0:04:40.320 エクスポージャー療法の効果を高め 0:04:40.320,0:04:45.320 治療反応率を高め、恐怖の復帰を減らす方法はなにか? 0:04:46.660,0:04:50.340 この疑問に答えるために様々な研究をしました 0:04:50.340,0:04:54.040 主に恐怖症に関わる刺激を対象としてきました 0:04:54.040,0:04:57.620 恐怖刺激は扱いやすく、変化も分かりやすいためです 0:04:57.620,0:05:04.480 近年は、もっと重度な不安障害を対象に研究をしています 0:05:04.480,0:05:07.700 これまでの多くの研究はクモ恐怖症で行ないました 0:05:07.700,0:05:10.960 これは、ペペというチリ産のタランチュラです 0:05:10.960,0:05:13.780 このペペは毒を持っていません 0:05:13.780,0:05:16.220 私達は研究室に7匹程飼っていました 0:05:16.220,0:05:19.420 私達は、クモ恐怖症の研究をしたり 0:05:19.420,0:05:21.420 閉所恐怖症の研究をしました 0:05:21.420,0:05:24.460 これは、パニック症用の部屋です 0:05:24.460,0:05:28.560 なんで、ここに文字が? 私は入れてないですけど… 0:05:28.560,0:05:32.820 ドアをしめると自分では外に出られないのです 0:05:32.820,0:05:34.080 中には取っ手がないんです 0:05:34.080,0:05:35.960 閉所恐怖症用の部屋です 0:05:35.960,0:05:40.220 スピーチ恐怖でも研究をしていました 0:05:41.560,0:05:44.660 エクスポージャーとして高所恐怖症を使ったり 0:05:46.360,0:05:49.920 これは私達の大学のIRBで少し心配そうにしてますね 0:05:49.920,0:05:52.920 私達は高いところで前に進めません 0:05:56.140,0:06:00.400 先程、私がどんな教育を受けてきたのか述べたと思います 0:06:00.400,0:06:02.640 私がもともと受けた教育では、 0:06:02.640,0:06:04.660 エクスポージャー療法をするときは、 0:06:04.660,0:06:08.300 クライアントを恐怖刺激に暴露し続けなければならない 0:06:08.300,0:06:10.260 不安が減少するまで 0:06:10.260,0:06:13.280 これは規則みたいなものでした 0:06:13.280,0:06:15.280 もし、これをしないと 0:06:15.280,0:06:22.340 患者が持つ不安症状が悪化してしまうと 0:06:22.340,0:06:26.460 これは、馴化のモデルに基づいています 0:06:26.460,0:06:31.820 この考え方は、1960-70年代にとても強かった 0:06:31.820,0:06:34.360 私の最初の疑問は、 0:06:34.360,0:06:37.920 『エクスポージャーの最初から最後で 0:06:37.920,0:06:40.800 不安が低減することは 0:06:40.800,0:06:47.060 患者の症状改善と関係しているのだろうか?』でした 0:06:47.060,0:06:56.400 一般的には、時間の経過とともに、不安は低減します 0:06:56.400,0:07:01.300 これは、UCLAの向かいにあるビルの上です 0:07:01.300,0:07:04.680 このように人を高いところに連れていきエクスポージャーをします 0:07:04.680,0:07:09.900 高所恐怖症の人々をこのように高所へ暴露し 0:07:09.900,0:07:12.680 毎分、恐怖の程度を報告させると 0:07:12.680,0:07:14.460 このような綺麗な馴化曲線になります 0:07:14.460,0:07:16.740 典型的にはこうなるのです 0:07:17.980,0:07:24.700 しかし、エクスポージャーにおける不安の低減量や、 0:07:24.700,0:07:28.200 不安の頂点からエクスポージャー終了時までの不安の低減量と、 0:07:28.200,0:07:32.200 3週間後のフォローアップ時における 0:07:32.200,0:07:37.080 行動回避テスト(BAT)が 0:07:37.080,0:07:38.820 相関関係にあるかを調べてみました 0:07:38.820,0:07:42.360 この図を見ての通り、関係がないのです 0:07:43.220,0:07:50.320 つまり、エクスポージャーによって低減した不安の量と 0:07:50.320,0:07:55.000 彼らが実際の生活で改善した症状とは直線的な関係にないのです 0:07:55.000,0:07:58.380 私達は、このことを違う種類の実験で3回再現しました 0:07:58.380,0:08:01.140 他の人も再現実験でこのことを確認しました 0:08:01.980,0:08:03.440 こんな実験もしました 0:08:03.440,0:08:07.040 クモ恐怖症に関する実験です 0:08:07.040,0:08:10.100 被験者にエクスポージャーを行ないました 0:08:10.100,0:08:15.660 3分の暴露を、1分の休憩をはさみながら行ないました 0:08:15.660,0:08:22.980 不安の強さが100点中10点以下になるまで行ない 0:08:22.980,0:08:27.060 被験者は、馴化によって不安が低減しています 0:08:27.060,0:08:30.380 そして、ここで被験者をランダム化します 0:08:30.380,0:08:32.800 コントロール群では、その後、なにもしません 0:08:32.800,0:08:35.520 もう一つは、過剰学習群です 0:08:35.520,0:08:43.020 過剰学習群では、暴露を更に繰り返し、200%にします 0:08:43.020,0:08:48.380 つまり最初の点数のさらに10%になるまで暴露を繰り返すのです 0:08:48.380,0:08:53.620 被験者は低い不安刺激にさらされ続けることになります 0:08:53.620,0:08:58.660 馴化のモデルからいうと、これはとても強力ですよね 0:08:58.660,0:09:03.920 なぜなら、SUDが10以下になる上に、繰り返し暴露をするのですから 0:09:03.920,0:09:06.560 3週間後の被験者のデータがこれです 0:09:06.560,0:09:10.780 紫が過剰学習のSUDです 0:09:10.780,0:09:12.780 ここで、不安が復活しています 0:09:14.280,0:09:19.980 低い不安の刺激や、繰り返し暴露をしても 0:09:19.980,0:09:24.960 メリットはないし、不安は復活するのです 0:09:24.960,0:09:30.220 馴化の過程で何が起こっているのでしょうか? 0:09:30.220,0:09:36.120 不安反応の低下それ自体が、学習の臨床的な指標にはならないのであれば、 0:09:36.120,0:09:41.520 患者の治療後のフォローアップ時点においての機能評価の方が大切でしょう 0:09:41.520,0:09:43.520 何が起こっているのでしょう 0:09:43.520,0:09:47.500 不安学習についての基本的な科学に戻りましょう 0:09:47.500,0:09:50.260 エクスポージャー療法の起源です 0:09:50.260,0:09:55.960 Wolpeは系統的脱感作法を最初のエクスポージャー療法として作りました 0:09:55.960,0:09:59.080 彼は、消去学習理論を使っていました 0:09:59.080,0:10:03.460 その後、私達は迷子になったようなものです 0:10:03.460,0:10:08.720 私達のゴールは消去学習について研究し、どのように使えるか、 0:10:08.720,0:10:12.460 そして、どのように私達を助けてくれるかを研究することです 0:10:12.840,0:10:17.680 少し大学生レベルの心理学に戻りましょう 0:10:17.680,0:10:22.160 パブロフの条件づけでは、恐怖獲得段階で 0:10:22.160,0:10:25.460 中性刺激と電気ショックが対提示されます 0:10:25.460,0:10:33.300 恐怖消去段階では、中性刺激(CS)が電気ショックを伴わずに提示されます 0:10:33.300,0:10:40.360 テスト段階では、消去学習の長期的な効果が検証されます 0:10:40.360,0:10:43.560 先程の私達の研究と同じです 0:10:43.560,0:10:50.540 動物実験では、この段階でどの程度の不安の低減があるかを調べることができます 0:10:50.540,0:10:56.040 典型的には、ネズミがフリーズするかしないかで調べます 0:10:56.040,0:11:01.660 消去段階のデータからとテスト段階での結果は一致しません 0:11:01.660,0:11:06.000 私達の研究室でも人を使って追試を行ないました 0:11:06.000,0:11:09.000 音と電気ショックを使って同じ現象を確認しました 0:11:09.000,0:11:16.820 クモ恐怖症、スピーチ恐怖症で私達が観察したことを図にしてみます 0:11:16.820,0:11:20.540 消去学習で何が起こっているかについてです 0:11:20.540,0:11:23.320 これが消去の中で起こっている全てではないですが 0:11:23.320,0:11:30.220 消去という点で、皆さんのよく知る図とはこれは違うかもしれません 0:11:30.220,0:11:40.440 今日では、こちらに恐怖のサイクルがあり、 0:11:40.440,0:11:43.980 無条件刺激がネガティブな結果をもたらす恐怖刺激として条件づけられています 0:11:43.980,0:11:54.960 人間であれ、動物であれ、消去とはこちらの新しい記憶を付け足すことです 0:11:54.960,0:11:59.740 つまり、恐怖に条件づけられた刺激が、もはや嫌悪的な出来事を予期しなくなるということです 0:11:59.740,0:12:07.240 この二つの関係性、二つの意味が条件刺激に対する記憶として保持されています 0:12:07.240,0:12:12.980 かつてのモデルでは、CS=USがなくなると考えていました 0:12:12.980,0:12:18.640 私が大学生のときは、CS=USが取り除かれると習いました 0:12:18.640,0:12:21.540 恐怖が消されるとかつては考えていたのです 0:12:21.540,0:12:24.840 しかし、実際はなくならないのです 0:12:24.840,0:12:33.020 CS≠USという記憶が強力である間は、CS=USという記憶は顕在化しないだけで、記憶にはあるのです 0:12:33.020,0:12:41.440 学習をした直後といった、特定の状況においては、CS=USは消去されたかのように見えます 0:12:41.440,0:12:46.900 臨床的には、治療後数年後などに恐怖が復帰してしまいます 0:12:46.900,0:12:50.620 さて、臨床的な状況で考えてみましょう 0:12:50.620,0:12:55.920 恐怖の予期をする患者が治療にきたとします 0:12:55.920,0:13:04.440 猫が私をパニックにさせて死んでしまうんじゃないかと考えている人です 0:13:04.440,0:13:06.440 人に会おうとすると拒絶され、 0:13:06.440,0:13:10.960 犬に近づくと攻撃される 0:13:10.960,0:13:13.080 脅威への予測があります 0:13:13.080,0:13:19.580 エクスポージャー療法を用いると、競合する脅威の予測を生み出すのです 0:13:19.580,0:13:23.640 つまり、パニックになっても死ぬことはない 0:13:23.640,0:13:26.840 犬に近づいても攻撃されることはない 0:13:26.880,0:13:34.860 さて、エクスポージャー療法が終わったとき、この人はどんな行動をとるでしょうか? 0:13:34.860,0:13:43.880 これは、どちらの記憶が活性化されるかによるのです 0:13:45.520,0:13:47.520 こちらの記憶が活性化されれば恐怖反応を起こすし 0:13:47.520,0:13:51.700 こちらの記憶が活性化されれば恐怖反応は小さくなるでしょう 0:13:51.700,0:13:58.540 疑問としては、どのようにどちらの記憶が活性化するのか決まるのでしょうか? 0:13:58.540,0:14:04.600 私達が今までに分かっている要素は、これです 0:14:06.380,0:14:11.340 第一に、この記憶は文脈に特化しています 0:14:12.580,0:14:16.580 これを消去学習または、エクスポージャー療法と呼び、 0:14:16.580,0:14:21.520 患者が治療という文脈で学習したものになります 0:14:22.020,0:14:26.900 こちらの最初の学習は、文脈がなく学習しているものです 0:14:26.900,0:14:30.040 急速に汎化していきます 0:14:30.400,0:14:37.340 患者がかつて恐れていたものに、文脈を超えて直面すると、ここになります 0:14:37.340,0:14:43.540 それは、かつてのエクスポージャー療法を受けていた文脈とは違うのです 0:14:44.120,0:14:46.700 この記憶が活性化されることもあるでしょう 0:14:48.020,0:14:50.960 同様に時間の経過も問題です 0:14:51.640,0:14:57.240 エクスポージャー療法が終了し、再び患者が恐怖刺激に直面するまでの時間です 0:14:57.240,0:15:02.000 エクスポージャー療法終了時は聴衆に恐怖反応が出ていなくても 0:15:02.000,0:15:06.760 9ヶ月後に別の状況でスピーチをする場合 0:15:06.760,0:15:15.020 時間が経過するだけで、最初の記憶が活性化しやすくなります 0:15:15.020,0:15:20.020 なぜなら、最初の記憶のほうが新しい記憶に比べてよく保存されているからです 0:15:20.020,0:15:25.000 よく保存されている記憶のほうが大切な記憶として表に出やすくなるのです 0:15:25.000,0:15:33.920 エクスポージャー療法に参加すると、予期しないネガティブなイベント経験するかもしれません 0:15:35.340,0:15:41.780 この経験が、自然的回復を促進させてしまいます 0:15:41.780,0:15:46.380 社交不安症の人がエクスポージャー療法に参加するとよく反応します 0:15:46.380,0:15:53.620 しかし、聴衆から突然挙手され、ひどい批判を受けてしまうと 0:15:53.620,0:16:01.020 この予期せぬ批判は、かつての恐怖記憶を呼び覚ましてしまいます 0:16:01.580,0:16:05.220 この現象は、急速な再獲得です 0:16:05.220,0:16:11.700 トラウマ化した患者がエクスポージャー療法に参加することで、安心感への期待を発展させ 0:16:11.700,0:16:17.680 再トラウマ化するというのは、こちらの記憶を活性化するということになります 0:16:18.460,0:16:20.220 注意すべきは、 0:16:20.220,0:16:26.080 これらの要因がエクスポージャー療法中に恐怖を抑え込んでいるのですが、 0:16:26.080,0:16:32.340 二つの記憶を媒介するものは直接はなく、 0:16:32.340,0:16:37.560 エクスポージャー療法後の時点で、二つの記憶が活性化するという点です 0:16:38.380,0:16:42.100 私達がエクスポージャー療法でしなければならないことは、 0:16:42.100,0:16:48.020 この記憶をとても強力に発展させることになります 0:16:48.020,0:16:50.560 つまり、恐怖の予期が生じないようにすることです 0:16:50.560,0:16:57.880 そうすると、のちの時点で、強力な安心感の記憶が恐怖の復帰を制止してくれます 0:16:57.880,0:17:00.760 そして、脅威の予期と競合してくれます 0:17:00.760,0:17:02.660 これが基本モデルです 0:17:02.660,0:17:06.140 この消去に関する一つの見解は、 0:17:06.140,0:17:15.380 脅威への予期を、新しい安全への予期が制止している状態と言えます 0:17:15.380,0:17:19.860 この制止学習によるモデルは文献としても支持されています 0:17:19.860,0:17:23.400 神経生理学的にも様々な研究で支持されています 0:17:23.400,0:17:29.960 恐怖の獲得や消去に関する神経生理学的な考え方にも基づいています 0:17:29.960,0:17:36.380 人間が最初の恐怖獲得を行うときに活性化するのは扁桃体です 0:17:36.380,0:17:43.580 更に消去の過程で活性化する部位は、 0:17:43.580,0:17:47.400 前頭前野腹内側部(vmPFC)です 0:17:47.400,0:17:50.900 前頭前野腹内側部が扁桃体の活動を抑制するのです 0:17:50.900,0:17:53.940 これは制止と調整の回路と言えます 0:17:53.940,0:17:59.800 今日では、私達の手で沢山の神経イメージ画像をやっています 0:18:00.500,0:18:05.640 私達がやっている、健常な人達を対象とした研究では、 0:18:05.640,0:18:12.500 恐怖の獲得と消去の間は、前頭前野腹内側部が活性化していました 0:18:12.500,0:18:16.080 さらに、前頭前野腹内側部と扁桃体活性化の関係は負の相関関係にありました 0:18:16.080,0:18:20.320 つまり、前頭前野副内側部が活性化すると、扁桃体の活動が減るということです 0:18:20.320,0:18:23.540 これは、他の研究者の再現実験です 0:18:24.380,0:18:30.200 さて、どうしたら制止学習を強力に、最大化できるのでしょうか? 0:18:30.200,0:18:34.780 エクスポージャー療法が終わった後に、制止学習が最大化するために、なにができるでしょうか? 0:18:34.780,0:18:41.500 それは、もとの恐怖体験と上手に矛盾させることです 0:18:41.700,0:18:47.520 私達は、エクスポージャーや消去がどのように働くのかをみてきました 0:18:47.520,0:18:51.600 私達は対処すべき大きな異常を目の前にしています 0:18:51.600,0:19:04.220 この異常とは、不安障害を持つ患者が、暴露や消去の過程においてつまづくものです 0:19:04.220,0:19:09.160 この異常のために制止学習や制止調節といった機能がそこなわれます 0:19:09.160,0:19:14.840 この異常があることが、最初の恐怖体験がある大きな理由です 0:19:14.840,0:19:19.840 この異常とは何を意味しているのでしょう。二つの例をあげましょう 0:19:19.840,0:19:22.460 これは、子供に関する研究です 0:19:22.460,0:19:25.860 8~12歳の子供が参加しました 0:19:25.860,0:19:30.640 彼らは、非常に古典的な条件づけの実験に参加しました 0:19:30.640,0:19:35.180 幾何学的図形が大きな音と対呈示されました 0:19:35.180,0:19:38.960 この実験では、子供なので電気ショックは使いませんでした 0:19:38.960,0:19:44.100 そして、もう一つの幾何学的図形にはなにも対呈示しませんでした 0:19:44.100,0:19:47.180 このような状態を分化条件づけ(弁別学習)といいます 0:19:47.180,0:19:52.320 被験者は、二つの図形の呈示8施行ごとに受けました 0:19:53.980,0:19:56.480 その後、この条件づけを消去しました。 0:19:56.480,0:19:59.940 つまり、大きな音はならないのです 0:19:59.940,0:20:04.620 図形だけを4施行見せただけです 0:20:04.620,0:20:09.220 1-2週間後に、彼らの反応をテストしてみました 0:20:09.220,0:20:14.560 消去テストとか、自然的回復テストと呼ばれているテストです 0:20:14.560,0:20:18.960 CONが統制群、ANXが不安な子供の成績です 0:20:18.960,0:20:26.500 すぐ分かると思いますが、不安な子供はすぐに不安を獲得してしまいます 0:20:26.500,0:20:28.960 これは、スキンコンダクターでの覚醒度で調べています 0:20:28.960,0:20:31.880 統制群の子供より、恐怖反応が出てますね 0:20:32.720,0:20:37.680 しかも、消去段階に入っても、統制群に比べて不安反応が減らないのです 0:20:37.680,0:20:41.340 黒いバーが図形と大きな音を対呈示したものです 0:20:41.340,0:20:45.180 統制群では、消去段階で不安は下がります。消去されるのです 0:20:45.420,0:20:50.380 不安な子供の場合、消去されません 0:20:51.160,0:20:53.880 1-2週間後を見てみましょう 0:20:53.880,0:20:59.300 統制群の子供は不安が消去されたままですが、不安な子供は不安が高まっています 0:20:59.300,0:21:03.100 この消去の失敗は、 0:21:03.100,0:21:07.080 制止・調節の問題であると見ることができます 0:21:07.080,0:21:13.660 彼らは消去段階で、制止学習を高める出来事を経験していないのです 0:21:13.660,0:21:15.340 他の例をあげましょう 0:21:15.340,0:21:20.080 少し内容を変えて、恐怖増強驚愕反応(Fear Potentiated Startle)パラダイムです 0:21:20.080,0:21:22.840 このような長い研究です 0:21:22.840,0:21:27.120 私が注目したいのは、この安全-危険段階です 0:21:27.120,0:21:31.120 16歳の少年が実験室にきて 0:21:31.120,0:21:36.080 私達は、上腕にセンサーを繋ぎます 0:21:36.080,0:21:41.780 電極を通じて、彼らには電気ショックが与えられます 0:21:41.780,0:21:47.300 これを私達は、コントラクションと呼びます 0:21:47.300,0:21:49.300 なぜ、そういうかは知らないのですけど 0:21:51.960,0:21:56.480 安全段階で、彼らはこのスクリーンのように安全と教示されます 0:21:56.480,0:21:59.940 コントラクションは与えられません 0:22:02.040,0:22:04.420 しかし、危険段階に入ると 0:22:04.420,0:22:08.620 危険と表示され、コントラクションが与えられる可能性があります 0:22:08.960,0:22:12.580 彼らは、もしショックが与えられるならば、 0:22:12.580,0:22:21.760 0から55秒のうちの、最後の10秒だと伝えられます 0:22:21.760,0:22:27.540 そして、カウントダウンされます。非常にすぐれた手法ですね 0:22:28.740,0:22:33.900 このオレンジがだんだんと暗くなっていきます 0:22:33.900,0:22:38.720 そして、実験を通して3つのショックが与えられると言われます 0:22:39.380,0:22:43.660 最後のショックに比べて他のショックはきついと伝えられます 0:22:43.660,0:22:50.720 つまり、私達は恐怖の状態を作ろうとしているのです 0:22:50.720,0:22:58.620 被験者は、4つの安全段階、4つの危険段階を経験します 0:22:58.620,0:23:02.300 そして、実際には被験者には、1回のみショックが与えられます 0:23:02.300,0:23:06.500 そして、被験者はさらに4つの安全段階、4つの危険段階を経験します 0:23:06.840,0:23:17.700 この実験の最初では、人が不安にさらされる可能性があるときにどのような反応をするのか調べたいのです 0:23:17.700,0:23:23.820 つまり、神経質な状態になると何が起こるかということです 0:23:23.820,0:23:26.640 神経質とは、性格傾向ですね 0:23:26.640,0:23:32.020 神経質であると、不安症の発症リスクが高くなることが縦断研究から分かっています 0:23:32.020,0:23:35.380 神経質は、縦断研究をするといつも出てきます 0:23:35.380,0:23:43.660 神経質は、不安症とうつ病の発展にとても大きな影響力を持っているのです 0:23:44.260,0:23:49.200 この部分が、ショックが与えられる前です 0:23:49.200,0:23:52.960 こちらの部分が、ショックが与えられた後です 0:23:52.960,0:23:58.580 危険段階では、最後の10秒が危険です 0:23:58.580,0:24:01.980 ここでは、すべての人が強く反応しています 0:24:01.980,0:24:08.320 瞬きをたくさんして、驚きます。これは非常に防衛的なことを示すよい指標です 0:24:08.320,0:24:15.540 ここでは、最後の10秒でショックが来るのだと、全ての人が明らかに防衛的になります 0:24:15.540,0:24:19.920 これは、3群ともに共通しています 0:24:19.920,0:24:21.920 安全段階を見て下さい 0:24:21.920,0:24:26.320 この段階では、緑のスクリーンで何も起きません 0:24:26.320,0:24:32.860 このときに、神経症傾向のあるグループは、過剰に不安になっています 0:24:33.540,0:24:39.140 差は小さいのですが、明らかな驚愕反応が起こっています 0:24:40.260,0:24:51.280 子供が他の子供に運動場でいじめにあっていると想像してみて下さい 0:24:51.280,0:24:57.120 その時の子供はいじめに強く不安になるだけでなく、 0:24:57.120,0:25:01.680 他の子がいじめに来ないか不安になっているのです 0:25:01.680,0:25:08.720 一緒にいる安全な人々が、いじめられた子にとっては、恐怖を抑制する要因にならないのです 0:25:08.720,0:25:14.560 これが、安全が恐怖反応を抑制しない例です 0:25:14.560,0:25:18.120 私は、これが不安の汎化に関係していると考えています 0:25:18.120,0:25:26.020 ところで、興味深いことに、安全段階の被験者の驚愕反応を調べると 0:25:26.020,0:25:32.120 不安症を発展させるかどうかを予測することができます 0:25:32.120,0:25:33.580 かなり予想できます 0:25:33.580,0:25:40.480 安全に対する過剰反応の指標は、 0:25:40.480,0:25:48.580 3年後の不安症の発症リスクをかなり予想します 0:25:48.580,0:25:52.200 しかし、うつ病は予測できないのです 0:25:52.200,0:25:55.880 不安とうつは独立しているので、予測できないのでしょう 0:25:55.880,0:25:59.980 これが不安とうつを分ける一つの根拠になります 0:26:00.480,0:26:02.860 さて、全てをまとめましょう 0:26:02.860,0:26:11.020 私達は、エクスポージャー療法を効率化するために制止学習・調整を高めたいのです 0:26:11.020,0:26:13.560 それが臨床的な問題です 0:26:13.560,0:26:19.260 しかし、私達が支援している人達は、制止学習・調整に異常があるのです 0:26:19.260,0:26:22.220 それで、私達の仕事は難しくなります 0:26:22.220,0:26:31.900 ここ何年かの私の仕事は、制止学習・調節の効果を高めるものはなにか?という研究でした 0:26:31.900,0:26:37.980 その道筋は多くあり、ここでは全てを紹介できません 0:26:37.980,0:26:39.960 幾つかを紹介します 0:26:39.960,0:26:41.960 たくさんのデータがあります 0:26:41.960,0:26:46.200 幸運なことに、これらのツールから離れるでしょう 0:26:46.200,0:26:48.820 そして、試してみようとなると思います 0:26:48.820,0:26:50.680 このバージョンを試してみようとなります 0:26:50.680,0:26:52.680 いろんなやり方を試すことができます 0:26:53.680,0:26:56.580 最初は、予期の反駁です 0:26:56.580,0:26:58.840 この意味は、 0:26:58.840,0:27:14.240 学習の基本的な構造として、自分の予想と結果が一致しない方が学習が促進されます 0:27:14.240,0:27:21.600 不一致が大きくなればなるほど、学習は促進されます 0:27:21.600,0:27:24.480 これは、レスコーラ・ワーグナーモデルの消去に関する問題でした 0:27:24.480,0:27:31.560 動物が連れてこられて、電気ショックを受けると予想したのに電気ショックを受けなかった 0:27:31.560,0:27:35.000 この不一致が学習には重要です 0:27:35.000,0:27:44.020 これは、私達にとっては、簡単です。予測を最大限に裏切るように暴露を計画するのです 0:27:44.020,0:27:49.620 これは、高所恐怖症への研究です 0:27:49.620,0:27:55.420 私達は、確認をするグループ、しないグループに分けました 0:27:55.420,0:27:57.040 確認をしないグループでは、 0:27:57.040,0:28:05.840 「ようこそ、高所や橋の上で起こる最悪な出来事ってなんでしょうか?」 0:28:05.840,0:28:09.960 「気絶することですね」 0:28:09.960,0:28:16.440 「気絶するまでにどれくらいかかりそうですか?」 0:28:16.920,0:28:18.920 「12分間です」 0:28:18.920,0:28:22.280 「では、私達は、この実験を15分します。 0:28:22.280,0:28:29.480 ネガティブな結果が生じるかどうかを調べましょう」 0:28:30.840,0:28:32.780 これを1施行だけします 0:28:32.780,0:28:34.780 つまり、1回だけです 0:28:34.780,0:28:38.280 実験は、2日あるうちの1回です 0:28:38.280,0:28:42.000 もう一つの群は確認をしないグループです 0:28:42.000,0:28:44.900 こちらは暴露を毎日行ないます 0:28:45.740,0:28:54.820 高いところから落ちるかも…落ちないかも…と考えながらすることになります 0:28:54.820,0:28:57.700 このような状況で、テストをしてみるのです 0:28:57.700,0:29:03.400 つまり、予測を最大に裏切るとどうなるのかを、予測しないで暴露することとの対比で調べてみます 0:29:03.400,0:29:10.080 実際に、私達がやったのは7回の施行の平均を出しました 0:29:10.080,0:29:14.740 できる限り、施行時間もマッチングしました 0:29:14.740,0:29:22.900 確認するグループは、確認なしグループに比べて施行時間は短くなりましたが… 0:29:22.900,0:29:25.980 この二つの群のフォローアップ時には差が見られませんでした。 0:29:25.980,0:29:32.640 重要なのは、確認するグループは、1日にたった1回だということです 0:29:32.640,0:29:40.800 暴露の時間を伸ばすことと、確認をすることは同じ効果ということです 0:29:40.800,0:29:45.920 これが予期の反駁の一つの役割です 0:29:45.940,0:29:52.400 高所にたっている間、意識があるというのが一つの予期です 0:29:52.400,0:29:58.700 そこで意識がある持続時間以外での予期が必要になってきます 0:29:58.700,0:30:00.640 私が言いたいことは、また後でお見せします 0:30:01.500,0:30:04.520 私達がエクスポージャー療法をするとき 0:30:04.520,0:30:06.840 私達は、一番心配していることはなにか?をたずねます 0:30:08.100,0:30:13.920 そして、一番起きそうなことって何だと思いますか?ともたずねます 0:30:14.940,0:30:18.920 そして、暴露をその状況を再現するように計画するのです 0:30:18.920,0:30:23.800 患者の予測を最大限に裏切る体験をするためです 0:30:23.800,0:30:27.880 これを実現するために恐怖刺激に暴露し続けるかもしれません 0:30:27.880,0:30:34.720 なぜなら、患者の最も心配することが、長期間の暴露によって 0:30:34.720,0:30:39.480 気絶することだった場合、 0:30:39.480,0:30:44.360 長期間の恐怖にとどまり続けることで 0:30:44.360,0:30:47.500 患者の予測を検証する必要があるためです 0:30:48.160,0:30:58.860 予期の反駁における最大の敵は、不安の低減です 0:30:58.860,0:31:03.580 もし、不安を低減しようと意図するなら、エクスポージャーは上手くいかないでしょう 0:31:03.580,0:31:07.540 なぜなら、患者が学ぶべきものを壊してしまうからです 0:31:07.540,0:31:09.700 患者が学ぶことは、不安が消え去ることではなく、 0:31:09.700,0:31:14.480 不安が残っていても、倒れることはないということです 0:31:14.480,0:31:20.160 私達は、不安を低減するという視点から離れる必要があります 0:31:20.160,0:31:23.780 患者が何を学ぶ必要があるかに焦点をあてるのです 0:31:23.780,0:31:31.220 私達は、不安の低減を意識しすぎると、それが安全信号として機能することを見つけたのです 0:31:31.220,0:31:34.980 私のかつての患者さんには、 0:31:34.980,0:31:40.780 何度も何度も、エクスポージャーをさせました 0:31:40.780,0:31:45.320 そして、恐怖から開放されたのです 0:31:45.320,0:31:50.700 しかし、全ての恐怖が蘇ってきました 0:31:50.700,0:31:52.700 完全な再発です 0:31:52.700,0:31:58.540 不安の低減は、それ自体が安全信号になる可能性があります 0:31:58.540,0:32:01.760 そして、消去に対する足かせになります 0:32:01.760,0:32:04.380 さて、話を進めましょう 0:32:04.380,0:32:07.580 もし、あなた方が消去の文献をみると 0:32:07.580,0:32:11.720 典型的には、漸近線の形が書いてあります 0:32:11.720,0:32:12.940 つまり 0:32:12.940,0:32:17.520 この部分で、患者はもう何も驚かないのです 0:32:17.520,0:32:24.940 患者は、なにか起こると思っていましたが、悪いことは何も起きないと学び、 0:32:24.940,0:32:29.740 これ以上、暴露を続けてもなにも学ぶことがない状態になります 0:32:29.740,0:32:31.520 驚きがないのです 0:32:31.520,0:32:34.940 そこで、レスコーラの提案として、 0:32:34.940,0:32:40.000 別の状況・刺激に暴露するということがあります 0:32:40.000,0:32:48.620 消去の手続きの真ん中で、別の状況・刺激を入れて 0:32:48.620,0:32:54.120 一つのCSで始まり、途中から別のCSを入れるのです 0:32:54.120,0:32:59.000 別のCSを入れると、予期が再び始まり 0:32:59.000,0:33:01.960 ―予期とは、なにか悪いことが起きそうということです― 0:33:01.960,0:33:04.360 これで、学ぶ機会が増えます(深められた消去) 0:33:04.360,0:33:11.340 なぜなら、また新たな予期の反駁が生まれるからです 0:33:11.340,0:33:13.340 私達は、人間でもこれを検証しました 0:33:13.340,0:33:16.740 人間で実証したのは初めてだと思います 0:33:16.740,0:33:21.660 私はここで話していますが、実際、この研究が役に立つかどうかは分からないのですが… 0:33:21.660,0:33:25.460 色のついた図形がありますね 0:33:25.460,0:33:31.200 大事なのは、全員電気ショックで恐怖を獲得します 0:33:31.200,0:33:36.980 黄色の丸、紫の三角はショックが、緑の四角はショックが来ません 0:33:36.980,0:33:39.900 そして、全員が消去の段階に進みます 0:33:39.900,0:33:41.900 ショック無しで図形を呈示します 0:33:41.900,0:33:50.440 単一グループでは、消去の際の刺激は一つだけにします 0:33:50.440,0:33:57.200 複合グループでは、消去の際の刺激を組み合わせます 0:33:57.200,0:33:59.200 それで、複合グループなのです 0:33:59.200,0:34:01.200 これを「深められた消去」といいます 0:34:01.780,0:34:09.640 そして、1週間後での不安反応について調べてみます 0:34:09.640,0:34:11.880 黄色の丸だけを暴露させてみます 0:34:11.880,0:34:20.680 単一グループは、複合グループに比べて、さらにエクスポージャーをしました 0:34:20.680,0:34:28.220 1週間後に、黄色の丸に対する恐怖反応を調べました 0:34:28.840,0:34:41.920 単一グループのほうが多くエクスポージャーをしたにも関わらず、複合グループよりもSCRで恐怖反応が出ています 0:34:41.920,0:34:50.960 また、私達が復帰と呼ぶ、ランダムにショックを与えることをしてみました 0:34:50.960,0:34:56.540 この際は、単独の刺激呈示を行ないます。これは、専門的には復帰です 0:34:56.540,0:34:59.860 あなたが歩いているときに、突然、攻撃されるようなものです 0:34:59.860,0:35:02.920 これは予期しない嫌な出来事ですね 0:35:02.920,0:35:08.880 黄色の丸でこのような復帰を調べました 0:35:08.880,0:35:13.940 その際も、複合グループより、単一グループの方が恐怖反応を出すのです 0:35:13.940,0:35:24.220 つまり、複合的な刺激の呈示をすることで、復帰が妨害されるのです 0:35:24.220,0:35:31.080 これは、SCRでも確認できますし、被験者の予想でも確認できます 0:35:31.080,0:35:36.800 複合グループの方が、ショックを受けないと予想しているのです 0:35:36.800,0:35:40.220 このことをまとめる前に 0:35:40.220,0:35:42.600 もう一つの例をあげましょう 0:35:42.600,0:35:50.620 エクスポージャー・消去中の予期を高める方法は他にあるのでしょうか? 0:35:50.620,0:35:59.660 レスコーラは、新たなUSを投入してみることを提案しています 0:35:59.660,0:36:03.660 伝統的に消去トレーニングでは、嫌悪的刺激はないのです 0:36:03.660,0:36:06.680 例えば、電気ショックなしで音だけ聞かせるようなものです 0:36:08.020,0:36:11.460 もし、毎回ショックだったらどうなるでしょう? 0:36:11.460,0:36:12.980 そして、時々だったら? 0:36:12.980,0:36:18.360 そうなると理論的には、恐怖への予期が再び戻ってきます 0:36:18.360,0:36:21.180 それで、恐怖への予期を再び強めることができます 0:36:21.180,0:36:25.680 「私は電気ショックを受けるわ」と思うけれど、実際には受けない 0:36:25.680,0:36:29.040 また、予測が外れるわけです 0:36:29.040,0:36:31.420 また、結果の不一致ができますね 0:36:31.420,0:36:35.420 この現象は、他の説明の仕方もあります 0:36:35.420,0:36:40.000 私達は、人を使った実験をしてみました 0:36:40.000,0:36:44.060 この青色のグループを見て下さい 0:36:44.060,0:36:49.500 このグループは電気ショックが全く与えられずに消去を行ないました 0:36:49.500,0:36:56.280 SCRでは、不安は綺麗に下がっていってますね 0:36:56.280,0:36:59.020 このグループは、反応が0になっていますね 0:36:59.020,0:37:05.840 ピンクのグループは8施行中2回は、嫌な刺激が出てきます 0:37:05.840,0:37:12.020 見ての通り、恐怖反応は下がらないですね 0:37:12.020,0:37:16.080 彼らは消去トレーニングの間も、覚醒しています 0:37:16.080,0:37:18.600 なぜなら、いつもショックを受けるからです 0:37:18.600,0:37:23.740 同様に、どれくらいショックを受けるかという予測は、 0:37:23.740,0:37:28.280 ショックを全く受けないグループでは下がっていきます 0:37:28.280,0:37:34.180 一方、時々、ショックを受けるグループでは高いままです 0:37:34.180,0:37:37.920 1週間後を見てみましょう 0:37:38.080,0:37:43.020 このピンクのグループが、不安が下がらなかったグループです 0:37:43.020,0:37:46.900 最後の消去から1週間後です 0:37:46.900,0:37:51.540 恐怖が下がっていますね 0:37:51.540,0:37:58.100 青色の消去で恐怖が下がったグループの方が恐怖が戻っていますね 0:37:58.100,0:38:04.460 同様のことが、悪いことが起こるのではないかという予測でも起きるのです 0:38:04.460,0:38:14.940 これが、実験的環境では暴露や消去に馴化が必要でないという例なのです 0:38:14.940,0:38:29.760 時々、ショックを受けたグループの方が、馴化が起きないにも関わらず、1週間後にはメリットが大きいのです 0:38:29.760,0:38:35.100 私達が、エクスポージャーを計画するときにしないといけないことは、 0:38:35.100,0:38:39.740 予期を反駁するように計画をたてること以外に、 0:38:39.740,0:38:44.260 エクスポージャーの最中に別の恐怖を入れることです 0:38:44.260,0:38:48.460 私達がやっている古典的な例では 0:38:48.460,0:38:53.400 運転の暴露中に内部感覚暴露を行う 0:38:53.400,0:39:04.240 汚染恐怖に対する暴露では、1回の暴露中に一つの汚染物質ではなく他の汚染物質にも暴露するということです 0:39:04.240,0:39:07.920 複合的で様々な刺激を使うということです 0:39:07.920,0:39:13.640 さらに、エクスポージャー中に時々は、ネガティブなことが起こるほうがよいです 0:39:13.640,0:39:17.280 つまり、消去中に時々は、恐怖が強化されるということです 0:39:17.280,0:39:22.060 ただし、この方法が妥当かどうかをよく考えて使う必要があります 0:39:22.060,0:39:28.040 例えば、ヨヒンビンを使えばパニック発作を誘発できるかもしれません 0:39:28.040,0:39:34.420 もちろん、いくつかの方法は非倫理的でできません 0:39:34.420,0:39:38.160 例えば、再被害にあうとか… 0:39:38.160,0:39:45.580 普通の人が経験するようなことはしてもかまわないでしょう 0:39:45.580,0:39:50.440 皆さんの中には、認知再構成についての疑問が出てくるでしょう 0:39:50.440,0:39:53.620 このことについて、私が言うのは、 0:39:53.620,0:40:06.120 患者が予測することと実際に起こることの不一致を起こすように暴露を計画することが一番の方法です 0:40:06.120,0:40:13.980 私達にとって、認知再構成をエクスポージャー前にするメリットはありません 0:40:13.980,0:40:20.200 なぜなら、認知再構成は、予期を取り払ってしまうからです 0:40:20.200,0:40:28.240 そうなると、エクスポージャーを行った際に、予期と結果の不一致が生まれません 0:40:28.240,0:40:36.280 私達は、認知再構成を暴露が終わった後に行うようにしています 0:40:36.280,0:40:45.080 1日目に患者が治療に参加して、2日目に普通にエクスポージャーを行ない 0:40:45.080,0:40:53.780 最後の第7セッションが終わったあとで認知再構成のパートをするのです 0:40:53.780,0:40:56.060 私は、これをする必要があるかも疑問なのですが、 0:40:56.060,0:40:58.060 これは、現在、研究中です 0:40:58.460,0:41:08.680 臨床的な疑問として、驚きによる予期の反駁が認知再構成と一致するか?というのはあります 0:41:08.680,0:41:13.400 では、次の話題として、「変動性」があります 0:41:13.400,0:41:19.060 この話題に取り組み始めた人は、認知心理学者です 0:41:19.060,0:41:22.780 認知心理学者は、この現象を長年研究していました 0:41:22.780,0:41:30.820 何かを学ぶ際に、様々な方法で学ぶほうが、 0:41:30.820,0:41:36.340 後に、その情報を覚えている可能性が高いということです 0:41:36.340,0:41:44.600 認知心理学の実験にあるような、単語のリストを覚えるような一貫して固定されたタスクをする場合、 0:41:44.600,0:41:50.000 リストをバラバラにした方がよく学習できるでしょう 0:41:50.000,0:41:54.440 同じ順番で単語を学習しないで、ぐちゃぐちゃにするのです 0:41:54.440,0:41:58.480 または、体の動きを取り入れて覚えたほうがよいでしょう 0:41:58.480,0:42:02.880 様々な角度や場所でやるのです 0:42:02.880,0:42:06.940 同じ角度や場所でするよりよい学習になります 0:42:06.940,0:42:12.060 色々な理論がありますが、私が大事だと思うのは、 0:42:12.060,0:42:17.500 単純化された課題は簡単なのです。変化があると大変になります 0:42:17.500,0:42:25.500 認知心理学者によると、変化がある方が記憶が定着し思い出しやすくなります 0:42:25.500,0:42:36.920 様々な方法で学習したり、記憶したりすると 0:42:36.920,0:42:40.540 普遍的なルールを学ぶことができます 0:42:40.540,0:42:45.380 それは様々な状況に適応できるルールになるでしょう 0:42:45.380,0:42:51.340 伝統的に暴露療法というのは変化のない方法でした 0:42:51.340,0:42:54.540 私達はクモを使って実験してみました 0:42:54.540,0:43:03.700 赤いバーのグループは、同じクモに何度も暴露して、暴露の方法を統一しました 0:43:03.700,0:43:05.700 エクスポージャー療法中、ずっとです 0:43:05.700,0:43:08.260 黄色のバーのグループは刺激を変えました 0:43:08.260,0:43:11.840 エクスポージャー療法中にクモ種類を変えたのです 0:43:11.840,0:43:17.100 フォローアップ時で、新しいクモを使って反応をみました 0:43:17.100,0:43:23.640 黄色の様々な刺激を用いたグループは、あまり恐怖の復帰はありません 0:43:23.640,0:43:30.120 一貫した刺激を用いたグループでは、より恐怖の復帰があります 0:43:30.120,0:43:35.460 私達は、同じことを高所恐怖症でも実験してみました 0:43:35.460,0:43:38.340 一つのグループは、同じ方法で暴露しました 0:43:38.340,0:43:42.920 吹き抜けの外に、保護した状態で立ってもらいました 0:43:42.920,0:43:47.160 最初の階では、この暴露を4回行ない 0:43:47.160,0:43:51.440 次の階でも、この暴露を4回行ない 0:43:51.440,0:43:57.040 次々に進んでも、同じ方法での暴露を繰り返しました 0:43:57.040,0:44:03.700 ランダムのグループでは8階まで進み、2階までもどり 0:44:03.700,0:44:07.280 そして、6階にいくなどのように、変化をつけたのです 0:44:07.280,0:44:11.800 手すりへの近づき方も変えてみました 0:44:11.800,0:44:17.260 登ったり、身を乗り出したり、腕を投げ出してみたり 0:44:17.260,0:44:21.440 手すりの上で背伸びをしてもらったりとかなり変化をもたせました 0:44:21.440,0:44:24.460 青いバーがランダムのグループです 0:44:24.460,0:44:27.140 恐怖の復帰が少ないですよね 0:44:27.140,0:44:29.480 赤が一定の暴露のをしたグループです 0:44:29.480,0:44:33.720 最近は、汚染恐怖でも行っています 0:44:33.720,0:44:36.720 汚染恐怖を持った人達に集まってもらい 0:44:36.720,0:44:41.520 汚く思うかどうか分かりませんが、これが古くて汚い歯ブラシ、 0:44:41.520,0:44:44.040 汚い靴下 0:44:44.040,0:44:50.680 動物がおしっこをかけたペットシーツ 0:44:50.680,0:44:56.720 一貫した暴露群では、各セッション、1つの刺激に暴露しました 0:44:56.720,0:45:00.140 7分間じっと見て、7分間それらを体に触れて汚れさせました 0:45:00.140,0:45:05.760 2段階にはなっているものの、全て同じ方法で暴露をしました 0:45:05.760,0:45:11.560 ランダム群ではセッション内での暴露はランダムにしました 0:45:11.560,0:45:16.160 近くで見ることから始める場合もあれば 0:45:16.160,0:45:19.360 いきなり、体にこすりつけて汚れを広げる場合もあります 0:45:19.360,0:45:20.520 ランダムにしたのです 0:45:20.520,0:45:24.500 暴露の時間も長いもの、短いものをランダムにしました 0:45:24.500,0:45:28.540 ただ、暴露の合計時間は14分にそろえました 0:45:28.540,0:45:35.720 見ての通り、2群間の差は僅かではありましたが 0:45:35.720,0:45:42.360 心拍やSUDsで、ランダムにしたほうが自然的回復が抑えられています 0:45:44.140,0:45:50.500 変動性がもたらすものは、学習や記憶に関する研究から来ていると述べました 0:45:50.500,0:45:52.560 これらは消去に関する研究ではないのです 0:45:52.560,0:45:56.620 しかし、刺激の変動性について考えたとき 0:45:56.620,0:46:00.960 人間は繰り返し同じ行動を常に取っているわけではありません 0:46:00.960,0:46:03.600 これは消去モデルに合致します 0:46:03.600,0:46:11.100 なぜなら、変動性をもたせることで、繰り返し予期の活性化が起こるのです 0:46:11.100,0:46:15.680 つまり予期の反駁が繰り返し起こるのです 0:46:15.680,0:46:23.580 患者が刺激に対して注意を払い、集中します 0:46:23.580,0:46:27.140 いつも刺激が変わると注目します 0:46:27.140,0:46:32.800 同じような暴露を繰り返し行うと 0:46:32.800,0:46:38.500 馴化も起こらないばかりか、学習も起きにくいでしょう 0:46:38.500,0:46:40.920 驚きがないですから 0:46:40.920,0:46:46.280 そうなると、恐怖刺激としてのCSに注目しないでしょう 0:46:46.280,0:46:52.140 変動性をもたせるとは、刺激に注目させるということです 0:46:52.140,0:46:56.460 私達は、注意が学習に重要な役割を果たしていると考えています 0:46:56.460,0:47:04.120 先程も述べましたが、暴露が完了できると患者が感じた時 0:47:04.120,0:47:12.680 10通りの社会的場面や、10種類のクモに暴露するほうが汎化が起きやすいでしょう 0:47:12.680,0:47:21.480 クモや社会的場面が思ったほど、悪い結果を生まないと分かるからです 0:47:21.480,0:47:26.480 変動性に対して、別の考えをしてみましょう 0:47:26.480,0:47:30.540 これは消去に関する理論ではありません 0:47:30.540,0:47:38.540 刺激を変えることで、恐怖に対する耐性を身につける意欲を高めるということです 0:47:38.540,0:47:44.060 私達がすることは、恐怖の強弱に関わらず暴露に対する意欲をもたせることです 0:47:44.060,0:47:49.460 私達が高所恐怖症の人に対して行った研究では、順序がバラバラでした 0:47:49.460,0:47:54.940 10階から5階に行ったり、4階や2階に戻りなどをしたのです 0:47:54.940,0:47:58.580 どの場所でも被験者は馴化が起きたわけではありません 0:47:58.580,0:48:01.580 被験者は何が起こるかを知ってるわけではないのです 0:48:01.580,0:48:05.780 ずっと予想外に覚醒され続けていたのです 0:48:05.780,0:48:09.700 おそらく自分たちの体験に注意が向いていたのだと思います 0:48:09.700,0:48:12.920 しかし、長い目で見ると彼らの方にメリットがあるのです 0:48:12.920,0:48:18.460 恐怖を低減させる必要がないという証拠が更にあります 0:48:18.460,0:48:25.860 これは、患者が自分たちが耐えられる恐怖の程度について知る必要がないということです 0:48:25.860,0:48:27.860 つまり、恐怖への耐性ということです 0:48:27.860,0:48:30.520 変動性を生み出すためには、 0:48:30.520,0:48:39.100 同じ刺激に対して何度も暴露するよりも、刺激を変えたり 0:48:39.100,0:48:40.740 ごちゃまぜにする 0:48:40.740,0:48:44.080 刺激へのアプローチ方法を変えてみることもできます 0:48:44.080,0:48:48.260 高所を一緒に歩いてみたり 0:48:48.260,0:48:50.260 端に向かってゆっくりと歩いてみたり 0:48:50.260,0:48:53.580 端に向かって走っていってみたり 0:48:53.580,0:48:57.880 端にもたれかかったり 0:48:57.880,0:48:59.620 可能な限り、これらをごちゃまぜにし、 0:48:59.620,0:49:03.980 不安階層表にあるものをバラバラに実施するのです 0:49:03.980,0:49:10.500 不安階層表は、高い恐怖から低い恐怖まで順番に並んでいるからです 0:49:10.500,0:49:15.180 エクスポージャーの時間や、エクスポージャー間の時間も変動させるとよいでしょう 0:49:15.180,0:49:17.180 また、あとで話しますね 0:49:18.900,0:49:28.260 注意とセイリアンスについての簡単なデモを示しましょう 0:49:28.260,0:49:34.560 先程、変動性をもたせることで注意を持続させるという話をしました 0:49:34.560,0:49:45.560 恐怖の馴化の問題は、馴化が起こってしまうと患者は新しく学ぶものがなく、刺激に注意が向かないということです 0:49:45.560,0:49:50.680 私達の研究では注意バイアスの矯正訓練をしてみました 0:49:50.680,0:49:54.500 これは、皆さん知っての通り 0:49:54.500,0:49:57.660 刺激に集中させる訓練です 0:49:57.660,0:50:02.440 この訓練は、知ってますか? 少ないですね 0:50:02.440,0:50:04.260 では、ちょっと見てみましょう 0:50:04.260,0:50:07.480 被験者がすることは、刺激を見ることです 0:50:07.480,0:50:11.720 プローブと呼ばれる点が呈示されます 0:50:11.720,0:50:21.320 被験者は、このプローブが出現したことに気づくことが求められます 0:50:21.320,0:50:26.520 特定の刺激(三角や丸)がでてきたときは、 0:50:26.520,0:50:32.680 その後に、その場所にプローブが出現します 0:50:32.680,0:50:38.900 図形が呈示された後、図形が消える休憩をはさみ、プローブが出現するのです 0:50:38.900,0:50:43.400 訓練するときは、青い三角に注目させます 0:50:43.400,0:50:50.880 このとき、プローブはほとんど、青い三角があった場所に出現します 0:50:50.880,0:50:53.820 これが、注意バイアス訓練の基本です 0:50:53.820,0:50:56.900 もし、他のなにかに注目を向けさせたいのであれば、 0:50:56.900,0:51:03.120 その刺激を呈示した後にプローブが表示されるようにするのです 0:51:03.120,0:51:09.780 恐怖条件づけをこのような実験的環境で行うと 0:51:09.780,0:51:14.580 恐怖を獲得させたり、消去させることができます 0:51:14.580,0:51:18.820 実験では、恐怖を獲得させる段階で 0:51:18.820,0:51:21.740 両方の刺激に注目するようにさせます 0:51:21.740,0:51:27.300 青い三角は、電気ショックと条件づけを行ない 0:51:27.300,0:51:31.660 緑の丸は、電気ショックと条件づけをしないようにします 0:51:31.660,0:51:33.680 統制群も同じように行ないます 0:51:33.680,0:51:36.840 予備実験のデータをお見せします 0:51:36.840,0:51:43.400 電気ショックが起こる刺激に注目させた場合、 0:51:43.400,0:51:47.740 電気ショックと関連付けたので条件刺激(CS)になります 0:51:47.740,0:51:52.060 これが、一週間後のテストの結果です 0:51:52.060,0:51:55.180 このグループは、自然敵回復が抑えられています 0:51:55.180,0:51:58.860 電気ショックへの予期で調べています 0:51:58.860,0:52:02.180 このグループは、他の刺激に対して訓練させているか 0:52:02.180,0:52:05.280 どの刺激にもトレーニングさせていない場合です 0:52:05.280,0:52:13.220 恐怖刺激に注目させることは、とても重要だと考えています 0:52:13.220,0:52:17.540 同じことを別の実験でも確認しました 0:52:17.540,0:52:21.400 時間がないので次に行きますが、SCRでも同じ結果でした 0:52:23.380,0:52:26.580 さて、私達は予期の反駁について見てきました 0:52:26.580,0:52:30.040 刺激の変動性について見てきました 0:52:30.040,0:52:34.720 今度は、文脈の変更についてみてみましょう 0:52:34.720,0:52:40.900 先程、消去学習は文脈に依存していると述べました 0:52:40.900,0:52:54.980 私達が患者をエクスポージャーで治療する際、どこでしたか、だれとしたかがの条件が詳細な情報として紐付けられます 0:52:54.980,0:53:04.020 エクスポージャーをした文脈ではない状態でテストをしてみると自然敵回復が生じます 0:53:04.020,0:53:06.320 それを示します 0:53:06.320,0:53:12.000 白バーの人々は、暴露をした状況でテストをしています 0:53:12.000,0:53:14.500 自然敵回復が全く起きませんね 0:53:14.500,0:53:19.260 この人達は、暴露とは違うスピーチ場面でテストをしています 0:53:19.260,0:53:21.320 自然敵回復が起きていますね 0:53:21.320,0:53:26.220 自己報告と心拍で同様の結果です 0:53:26.220,0:53:29.720 どうしたら、この文脈依存をなくすことができるのでしょうか? 0:53:29.720,0:53:35.820 一つの方法は、多様な文脈で暴露をすることです 0:53:35.820,0:53:39.840 なるべく様々な文脈で実施するのです 0:53:39.840,0:53:46.720 例えば、一人で暴露したり、誰かと暴露すること 0:53:46.720,0:53:52.040 家で暴露したり、よく知っている場所や知らない場所で暴露するなどまぜるのです 0:53:52.040,0:53:53.440 これらが役に立ちます 0:53:53.440,0:53:57.000 また、内的環境を考慮する必要があります 0:53:57.000,0:54:05.700 暴露をする際に服薬していれば、その暴露は服薬と結びつきます 0:54:05.700,0:54:09.940 そのため服薬なしでの暴露も良いでしょう 0:54:09.940,0:54:18.160 もし、最初に恐怖を獲得した文脈を知っているのであれば、 0:54:18.160,0:54:22.980 それは特定の場所と結びついており、その場所に戻ることはよいことです 0:54:22.980,0:54:28.720 その場所は非常に強力な文脈になり、非常に感情を喚起させます 0:54:28.720,0:54:31.700 では、ここでエクスポージャー療法に戻りましょう 0:54:31.700,0:54:36.640 検索的手がかりという方法もあります 0:54:36.640,0:54:44.260 検索的手がかりとは、エクスポージャー中に呈示される中性的な刺激です 0:54:44.260,0:54:48.180 検索的手がかりは、橋渡しです 0:54:48.180,0:54:53.460 これが、暴露で何が起こったかの記憶を検索する手がかりになるのです 0:54:53.460,0:55:02.380 後の時点でテストをした際に、検索的手がかりがあると、暴露での記憶を思い出しやすいのです 0:55:02.380,0:55:09.440 スピーチ恐怖の人に対して検索的手がかりを使った実験をしてみました 0:55:09.440,0:55:16.200 ボードにトロルの頭がついたペンを挟んでおくというシンプルなものです 0:55:16.200,0:55:19.900 この実験では4つの群を比較しました 0:55:19.900,0:55:25.500 このグループは検索的手がかりを暴露中と実験後の評価時に用いませんでした 0:55:25.500,0:55:32.080 このグループは検索的手がかりを暴露中には用いず、評価時に呈示しました 0:55:32.080,0:55:38.760 このグループは検索的手がかりを暴露中には用いましたが、評価時には呈示しませんでした 0:55:38.760,0:55:45.340 このグループは検索的手がかりを暴露中にも評価時にも用いました 0:55:45.340,0:55:48.480 このグループが最も自然的回復が起きていません 0:55:48.480,0:55:53.080 この数値は自然的回復が起こった割合を示しています 0:55:53.080,0:55:56.320 この効果は、マイルドかもしれません 0:55:56.320,0:56:02.620 なぜなら、χ2検定で自然的回復が起きるかどうかを調べているだけだからです 0:56:02.620,0:56:07.340 観測可能な連続変数で調べてないからです 0:56:07.340,0:56:11.660 他にも検索的手がかりを利用する方法があります 0:56:11.660,0:56:14.280 これは、簡単に実行できます 0:56:15.200,0:56:21.900 私達がするのは、エクスポージャーでの体験を思い出させるだけでいいのです 0:56:21.900,0:56:23.160 クモの実験です 0:56:23.160,0:56:27.580 フォローアップの評価で 0:56:27.580,0:56:36.840 あなたが学んだこと、あなたが最後に学んだときに起こったこと、暴露した場所を思い出してくださいと教示します 0:56:36.840,0:56:42.360 もう一つのグループは、仕事や学校に行く前の準備をしている所を思い出すように教示します 0:56:42.360,0:56:46.640 これが検索的手がかりです。精神的復帰ともいいます 0:56:46.640,0:56:49.280 私は驚きました 0:56:49.280,0:56:56.420 起こったこととしては、全員が暴露をして、 0:56:56.420,0:57:02.600 違う文脈と同じ文脈で評価しました 0:57:02.600,0:57:05.820 それは、暴露をしたときとは別の文脈です 0:57:05.820,0:57:08.920 全員に自然的回復が起こりました 0:57:08.920,0:57:12.660 しかし、暴露の内容を思い出すように教示したグループでは、 0:57:12.660,0:57:17.860 統計的に自然的回復が小さくなりました 0:57:17.860,0:57:22.080 これは、治療の中で簡単にできることですね 0:57:22.080,0:57:27.080 何を学んだのか、最後にどこで学んだかを思い出させるだけですから 0:57:27.080,0:57:33.300 文脈依存に関する最新の研究としては、 0:57:33.300,0:57:37.620 スコポラミンを用いた薬理学的研究があります 0:57:37.620,0:57:45.660 消去が文脈依存的になる理由は海馬にあります 0:57:45.660,0:57:53.300 海馬が時間・空間的な文脈を符号化するからです 0:57:53.300,0:58:00.000 同僚の動物行動学者のマイクは、 0:58:00.000,0:58:07.280 消去学習中に海馬を不活化させると、 0:58:07.280,0:58:11.720 学習が文脈依存にならず汎化することを発見しました 0:58:11.720,0:58:14.780 どうやったかというと、 0:58:14.780,0:58:19.200 詳しくは分かりませんが、海馬を損傷させるのです 0:58:20.620,0:58:25.720 その後、スコポラミンと呼ばれる薬物を使うことに注目しました 0:58:25.720,0:58:28.700 私の娘は、運動障害のためにスコポラミンを使っています 0:58:30.300,0:58:35.660 興味深いことに、スコポラミンの効果は、 0:58:35.660,0:58:39.420 一時的に海馬の機能を障害させるのです 0:58:41.320,0:58:43.980 彼らの発見ですが、 0:58:43.980,0:58:49.520 左側のグループは、生理食塩水をプラセボとして投与しました 0:58:49.520,0:58:52.480 白いバーが消去と同じ文脈、黒いバーが文脈を変えた結果です 0:58:52.480,0:58:54.800 文脈を変えると、これくらい自然的回復が起きます 0:58:54.800,0:58:59.040 スコポラミンでは、自然的回復が抑えられています 0:58:59.300,0:59:02.340 ここでは、自然的回復が起きていません 0:59:02.340,0:59:05.240 今取り組んでいる研究があります 0:59:05.240,0:59:08.400 スコポラミンを使う研究です 0:59:08.400,0:59:12.500 これは、社交不安症患者の研究です 0:59:12.500,0:59:21.660 この研究では、0.2mg、0.4mg、0.6mgのスコポラミン点鼻薬で無作為化しています 0:59:21.660,0:59:28.540 点鼻薬を使うことで、血液脳関門を超えることができます 0:59:28.540,0:59:33.740 そしてヴァーチャル・リアリティ(VR)のエクスポージャーを行います 0:59:33.740,0:59:37.440 VRだと文脈を操作しやすいのです 0:59:39.580,0:59:42.620 4週間において、7セッションのエクスポージャーを行いました 0:59:42.620,0:59:45.300 1回のセッションで7回スピーチをしました 0:59:45.300,0:59:49.520 32日後に同じVRの文脈で評価をしました 0:59:49.520,0:59:54.840 エクスポージャーと同じ文脈、違う文脈で評価をしました 0:59:56.000,0:59:59.780 そして、2年後に帰ってきて、どうなったか教えて下さいと伝えました 1:00:00.980,1:00:05.820 どうなったかお見せしたかったのですが… 1:00:07.400,1:00:13.040 消去の文脈は特定の文脈に結びつきます 1:00:13.040,1:00:14.920 これは、問題です 1:00:14.920,1:00:17.060 私達は、学習を汎化させたいのですから 1:00:17.060,1:00:23.480 エクスポージャー療法が終わった後に、患者が様々な状況に対して学習をしていることを私達は望んでいます 1:00:23.480,1:00:30.520 逆に言うと、患者が恐怖を獲得したとき、 1:00:30.520,1:00:36.640 その恐怖を文脈依存型にさせるということがよいですよね 1:00:36.640,1:00:39.420 なぜなら、その恐怖を汎化させたくないからです 1:00:39.420,1:00:43.540 特定の状況に結びつけたほうがよいです 1:00:43.540,1:00:49.900 興味深いことに強烈な恐怖やトラウマを経験すると、 1:00:51.460,1:00:55.740 海馬の機能が少しだけ麻痺します 1:00:55.740,1:01:01.280 これが文脈依存型の記憶にならない理由です 1:01:01.280,1:01:04.980 つまり、恐怖が汎化してしまう理由です 1:01:04.980,1:01:10.940 私達は、この部分を固定化する方法を発見しないといけませんね 1:01:10.940,1:01:19.640 驚くことに、グルコースが海馬の機能を改善してくれます 1:01:19.640,1:01:26.880 私の同僚のTomがラットの実験で、このことを示してくれました 1:01:26.880,1:01:34.980 彼は、ラットに抵抗できないショックを与えてトラウマ化させた後に、グルコースを投与しました 1:01:34.980,1:01:41.000 グルコースは、トラウマをより文脈依存にできます 1:01:41.000,1:01:43.780 そして、汎化を抑えてくれます 1:01:43.780,1:01:48.900 シンプルな方法で、私達は人間にも試してみました。 1:01:48.900,1:01:54.420 私達の文脈はこうです 1:01:54.420,1:02:00.400 キューが出てくると、毎回、電気ショックがきます 1:02:00.400,1:02:05.060 キューがくると電気ショックです 1:02:05.060,1:02:09.080 これをキュー条件づけといいます 1:02:09.080,1:02:12.840 なぜなら、キューが電気ショックを予測するからです 1:02:12.840,1:02:16.140 背景の文脈は重要ではありません 1:02:16.780,1:02:20.460 今度は、私達が文脈条件づけと呼ぶものです 1:02:20.460,1:02:25.640 このとき、予測できない電気ショックが来ます 1:02:25.640,1:02:30.200 このとき、本来は関係のないものがキューになります 1:02:30.200,1:02:36.660 予測できない電気ショックがくると、更に他のものがキューになるかもしれません 1:02:36.660,1:02:43.260 この状況では、背景的な文脈が電気ショックを予測するようになってしまいます 1:02:43.260,1:02:46.760 これはキューではないのです。これが文脈条件づけです 1:02:46.760,1:02:52.540 このとき、グルコースかプラセボを割り付けます 1:02:52.540,1:02:56.920 その状態で、この条件づけを行うのです 1:02:56.920,1:03:05.660 黒い四角が予測できない電気ショックで条件づけられた群です 1:03:05.660,1:03:11.340 グルコースが文脈に対する恐怖を増加させていることが分かります 1:03:11.340,1:03:18.860 しかし、キューがある場合のショックでは、恐怖が増加しません 1:03:19.940,1:03:25.120 つまり、グルコースは、文脈条件づけには影響しますがキュー条件づけには影響しません 1:03:25.120,1:03:28.960 一方、プラセボ群では、違いが生まれません 1:03:28.960,1:03:33.140 これは、おどろくべき発見です 1:03:33.140,1:03:45.760 あなたがトラウマ化のリスクにある人の第一発見者であったり、トラウマ受傷直後の人に出会ったら、 1:03:45.760,1:03:50.760 グルコースが役に立つかもしれません 1:03:50.760,1:04:00.000 これは、南カルフォルニアの緊急処置室で研究中です 1:04:00.000,1:04:02.440 興味深い発展ですね 1:04:02.440,1:04:16.040 セッションの間隔については、次のセッションにいくにしたがって、間隔を空けたほうが効果があります 1:04:16.040,1:04:23.700 これは認知科学からですが、間隔をあけて学習をするほど情報を保持しやすく思い出しやすくなるためです 1:04:23.700,1:04:30.560 エクスポージャー療法終了後のブースターセッションですが、 1:04:30.560,1:04:36.020 間隔を徐々に空けたほうがいいということです 1:04:36.020,1:04:40.840 最後の項目の話になります 1:04:40.840,1:04:45.460 ポジティブな感情です、これは私達にとって新しい領域です 1:04:45.460,1:04:57.300 エクスポージャー療法を行うと、馴化がおこり、患者の恐怖は下がってきます 1:04:57.300,1:04:59.480 これは、主要な効果ではないと述べました 1:04:59.480,1:05:06.240 さて、恐怖は下がっても、患者は恐怖刺激が好きにならないのです 1:05:06.240,1:05:11.300 運転をする恐怖が減っても、運転を好きになることはないのです 1:05:11.300,1:05:17.720 犬への恐怖がなくなっても、犬が好きにはならない 1:05:17.720,1:05:30.360 この恐怖刺激への嫌悪が、のちの自然的回復を予測するのです 1:05:30.360,1:05:40.120 その刺激が嫌いであるほど、のちの予想ができないネガティブな出来事が起こった際に自然的回復が起こります 1:05:40.120,1:05:44.220 どうやって、これに対処すればよいでしょうか 1:05:44.220,1:05:47.140 どうやって、自然的回復を抑制すればいいのでしょうか 1:05:47.140,1:05:54.760 私達は、CSにポジティブな影響を付加することを試しています 1:05:54.760,1:06:00.500 これは、恐怖ではなく、ポジティブな感情を付加する研究です 1:06:00.500,1:06:06.780 まず、CSに対する恐怖を学習させます 1:06:06.780,1:06:10.180 そして、2つの条件に無作為に割り付けます 1:06:10.180,1:06:14.520 これは、ご存知かどうか分かりませんがEmilyの研究です 1:06:14.520,1:06:18.440 彼女はこのプログラムを綺麗に整えました 1:06:18.440,1:06:23.260 ポジティブな感情をどうやって付加させたのでしょう 1:06:23.260,1:06:26.580 彼女は、ポジティブ・イメージ・トレーニングを用いました 1:06:26.580,1:06:29.100 あるシナリオを用いるのです 1:06:29.100,1:06:37.780 『誕生日にパートナーがあなたに近づいてきてプレゼントを渡します。あなたは、それを開けてとても喜ぶ』といったものです 1:06:37.780,1:06:40.160 それは、ポジティブな言葉で終わります 1:06:40.160,1:06:47.840 『上司が通りかかって、背中をたたき、よくやった!』というものもあります 1:06:47.840,1:06:50.940 被験者がやることはそのポジティブなイメージをするのです 1:06:50.940,1:06:54.140 Emilyの発想は凄いですね 1:06:54.140,1:06:56.140 更にイメージの鮮明さを報告させます 1:06:56.140,1:06:59.600 被験者は、ポジティブなシナリオをイメージするか 1:06:59.600,1:07:02.800 もしくは、ポジティブな言葉のトレーニングをしました 1:07:02.800,1:07:04.800 これは、シナリオは同じですが、 1:07:04.800,1:07:06.800 イメージ・トレーニングはしません 1:07:06.800,1:07:10.720 被験者は言葉に集中して、言葉の理解の難しさを評価させます 1:07:10.720,1:07:13.360 これは、おもしろい比較ですよね 1:07:13.360,1:07:18.060 ポジティブなシナリオが与えられ、ある群はイメージ・トレーニングを、ある群は言葉のみですから 1:07:18.060,1:07:29.200 イメージ・トレーニングをした方がポジティブな印象が高まると予測できますし、そうなりました 1:07:29.200,1:07:35.220 言葉だけのグループより、統計的にポジティブな感情が増えたのです 1:07:35.220,1:07:43.160 私達は、手を加えられたCS(CS+)をポジティブに評価するだろうと考えますよね 1:07:43.160,1:07:44.700 そうなりました 1:07:44.700,1:07:52.280 イメージ・トレーニングをした群は、言葉だけの群に比べて、CS+が好きだと評価しました 1:07:52.280,1:07:55.880 そして、研究では自然的回復に持ち込みました 1:07:55.880,1:08:02.540 つまり、予測できないショックに対して暴露し、その効果を調べたのです 1:08:02.540,1:08:07.480 これは消去の直後から、ショックの後です 1:08:07.480,1:08:16.460 見ての通り、イメージ・トレーニングをした群は、ショックに対する防衛的な動機づけが下がっています 1:08:16.460,1:08:23.680 言語・トレーニングをした群は後の時点でのショックに対する防衛が高まっています 1:08:23.680,1:08:26.920 同じことが自己報告式の評価でも示されました 1:08:26.920,1:08:30.500 私達はクモ恐怖症でも調べました 1:08:30.500,1:08:36.400 全員、生きているクモのペペに対する暴露を行いました 1:08:36.400,1:08:45.920 そして、ポジティブなビデオを見せる群と中性的な感情のビデオを見せる群に無作為化しました 1:08:45.920,1:08:50.700 ポジティブなビデオには、『シャーロットのおくりもの』を選びました 1:08:50.700,1:08:54.580 このビデオのストーリーをご存知かどうか分かりませんが、 1:08:54.580,1:09:04.000 クモが紳士的で優しく、様々な方法で世界を救おうとするのです 1:09:04.000,1:09:10.020 クモの巣をくるくる回して、辛い生活を送ります 1:09:10.020,1:09:15.360 子どもたちを気にかけ、とても賢いのです 1:09:15.360,1:09:17.080 賢いクモですね 1:09:17.080,1:09:21.720 中性的なビデオを見せる群では、ナショナル・ジオグラフィックのビデオを見せました 1:09:24.820,1:09:27.760 そして、自然的回復を調べました 1:09:27.760,1:09:31.520 クモ恐怖がどのように回復するのでしょうか 1:09:31.520,1:09:38.760 怖いタランチュラがねずみを食べている映像を用いました 1:09:42.380,1:09:45.560 私の学生が時間を使ってこれを見つけてくれました 1:09:45.560,1:09:53.780 恐怖が戻ってくることは想像できますよね。これは、専門的には復帰ではなくて暴露です。 1:09:53.780,1:09:59.340 そして、二つのグループがどうなったかを調べてみました。 1:09:59.340,1:10:05.940 青い線がナショナル・ジオグラフィックを見せた人達です 1:10:05.940,1:10:09.420 赤がシャーロットのおくりものを見せた群です 1:10:09.420,1:10:17.940 暴露後、自然的回復の時点でクモにどれだけ近づけるかという行動回避テストをしました 1:10:17.940,1:10:19.940 被験者をクモに近づけてみたのです 1:10:19.940,1:10:30.460 この実験からも分かるように、ポジティブな感情を付加することは、消去学習を促進する方法になります 1:10:30.460,1:10:34.920 制止・調節についての話で終わりにします 1:10:34.920,1:10:36.860 すみません。時間を超過してますね 1:10:36.860,1:10:39.560 これは、先程の話とは全く違う領域です 1:10:39.560,1:10:49.000 私はすでに内側前頭前皮質が扁桃体を抑制すると述べました 1:10:49.000,1:10:52.780 そのとき、感情のラベリングはどうやって決まるのでしょうか? 1:10:52.780,1:10:58.160 感情のラベリングとは、現在の感情を言葉でどう表すかということです 1:10:58.160,1:11:02.120 これは、同僚のMattの研究です 1:11:02.120,1:11:07.380 彼は、Disruption理論と呼ばれる理論を考えています 1:11:07.380,1:11:16.440 この理論では、感情的な刺激に対して言葉を与えると、右の腹外側前頭前野(RVLPFC)が賦活するのです 1:11:16.440,1:11:21.360 そうすると内側前頭前野を介して、扁桃体が不活化するのです 1:11:21.360,1:11:24.280 その結果、ネガティブな感情をコントロールできます 1:11:24.280,1:11:26.600 感情のラベリングの例をあげます 1:11:26.600,1:11:33.040 被験者はこの表情に一致した感情を選ぶように求められます。これが感情のラベリングです 1:11:33.040,1:11:37.940 感情的な刺激に最も一致したものを選びます 1:11:37.940,1:11:41.400 これを他の条件(名前を選ぶ等)と比較しました 1:11:41.400,1:11:48.100 感情のラベリングをした群では、低下が起こっています 1:11:48.100,1:11:50.500 これは扁桃体に関する指標です 1:11:50.500,1:11:55.940 この活性化は、他の条件より抑えられています 1:11:55.940,1:11:59.760 また、大きな相関関係がありますね 1:11:59.760,1:12:07.620 これは、右の腹外側前頭前野(RVLPFC)が扁桃体の活動を抑制しているということです 1:12:07.620,1:12:14.500 右の腹外側前頭前野(RVLPFC)から扁桃体を制止する回路があるということです 1:12:14.500,1:12:19.900 私達は不安症の人に対する研究をしました 1:12:19.900,1:12:23.180 重症な社交不安症の人の研究です 1:12:23.180,1:12:30.500 左から2番目から、社交不安症、社交不安症+他の不安症、社交不安症+うつ病です 1:12:30.500,1:12:32.500 一番左は、健常群です 1:12:32.500,1:12:35.940 スキャナーで感情のラベリングについて調べました 1:12:35.940,1:12:42.740 見ての通り、感情のラベリングの方が、性別のラベリングより扁桃体の活動が抑えられています 1:12:42.740,1:12:46.040 これが統制群です。これと他を比較してみると、 1:12:46.040,1:12:50.160 社交不安症の群では、このような効果は見られません 1:12:50.160,1:12:57.080 不安症合併群、うつ病合併群の方がより扁桃体が活性化しています 1:12:57.080,1:13:01.660 これらの群は、制止調節が行われていないのです 1:13:01.660,1:13:12.720 この研究から、不安症やうつ病は、制止調整の障害が中心にあることが分かります 1:13:12.720,1:13:17.420 つまり、私達は制止調整の回路が活性化されていると期待できないのです 1:13:17.420,1:13:24.440 ここで感情のラベリングが効果的な方法になるのか疑問が出てきますよね 1:13:24.440,1:13:29.300 そこで、健常群に対する様々な実験をしています 1:13:29.300,1:13:35.960 この実験では、銃、怒った犬、血だらけの顔の画像を呈示します 1:13:35.960,1:13:41.220 画像を提示した後に、感情のラベリングに関する単語が呈示されます 1:13:41.220,1:13:45.880 ここでは、怒った犬の画像に爆弾という無関係な単語です 1:13:45.880,1:13:49.020 ここでは、血だらけの顔に血 1:13:49.020,1:13:53.180 このような感情のラベリングに関する施行を100回行いました 1:13:53.180,1:13:57.980 そして、1週間後にこれらのイメージにどう反応するかを調べました 1:13:57.980,1:14:15.420 エクスポージャー単独に比べて、無関係な単語を呈示した群の方が、SCRや心拍の数値が統計的に減少していました 1:14:15.420,1:14:20.140 関係のない言葉が最も効果的だということが注目すべき点ですね 1:14:20.140,1:14:22.620 爆弾が犬と結びつくという形ですね 1:14:22.620,1:14:26.740 クモ恐怖症でも試してみました 1:14:26.740,1:14:31.620 このグループは画像だけを見せる暴露です 1:14:31.620,1:14:37.980 前の研究にならい、無関係な単語を見せる群です 1:14:37.980,1:14:40.220 したは、中立的な単語を見せました 1:14:40.220,1:14:43.100 100施行行った後、1週間後の評価です 1:14:43.100,1:14:55.580 無関係な言葉を見せたほうが、暴露単独に比べて、SCRと心拍で大きな減弱が見られています 1:14:55.580,1:15:05.760 そこで、右の腹外側前頭前野(RVLPFC)が活性化する程度と 1:15:05.760,1:15:12.080 一週間後のSCRの減弱との関連性をスキャナで調べました 1:15:12.080,1:15:17.260 すると、関連がある単語の方が減弱していたのです 1:15:17.260,1:15:23.320 これらの研究をみると、関連がある単語なのか、関連がない単語なのか、混乱しますよね 1:15:23.320,1:15:29.520 そこで、クモ恐怖に対する実験をしました 1:15:29.520,1:15:33.040 4つのグループを作りました 1:15:33.040,1:15:41.260 ラベリングの群では、『醜いクモにとてもイライラする』というようなラベリングをしてもらいました 1:15:41.260,1:15:44.520 つまり、関連がある単語ということです 1:15:44.520,1:15:51.820 再評価では、『小さいクモは、私にとっては危険ではない』といったことを話してもらいました 1:15:51.820,1:15:57.840 気ぞらしでは、『私の書斎にはテーブルがあります』のような、関係のないことを話すように求めました 1:15:57.840,1:16:00.520 そして、暴露単独です 1:16:00.520,1:16:02.800 これがぺぺです 1:16:02.800,1:16:07.240 一週間後、 1:16:07.240,1:16:11.600 エクスポージャー終了時からのSCRの変化を調べました 1:16:11.600,1:16:18.100 感情のラベリングをした群が明らかに他の群より低いですね 1:16:18.100,1:16:28.100 感情のラベリングが、再びクモに直面した際の興奮を下げるのです 1:16:28.100,1:16:34.180 そして、気ぞらし群にくらべて、感情のラベリング群は、クモに近づくことができました 1:16:34.180,1:16:39.780 さらに、より多くの言葉を使うほうが、 1:16:39.780,1:16:43.340 子供っぽい言葉で表現するほうが、 1:16:43.340,1:16:51.940 イライラする、怖い、おびえる、パニクるなどの言葉で表現するほうが、結果はよくなります 1:16:51.940,1:16:57.660 私達は、これをスピーチ恐怖で再現実験しています 1:16:57.660,1:17:04.620 スピーチをする前に言葉をこの中から選んでもらいます 1:17:04.620,1:17:06.940 不安、怒り、悲しみ、その他などです 1:17:06.940,1:17:10.180 これ以外にも様々な選択肢を与えています 1:17:10.180,1:17:15.600 例えば、聴衆が自分のことを変なやつだと思い、駄目だと笑うなどです 1:17:15.600,1:17:21.180 このように感情的な状態を言葉にしてもらうのです 1:17:21.180,1:17:31.400 これが、出てきたばっかりの生理学的データで、ベースライン、暴露直後、1週間後の評価です 1:17:31.400,1:17:41.780 感情ラベリングの方が統制群に比べて、暴露終了後一週間後の不安は下がっています 1:17:41.780,1:17:48.440 SCRでも同じ効果が起こっています 1:17:48.440,1:17:52.780 私達は、PTSDの研究もしています 1:17:52.780,1:18:01.540 この研究が面白いのは、標準的なPTSDに対する暴露は 1:18:01.540,1:18:04.800 45分の想像エクスポージャーです 1:18:04.800,1:18:10.140 トラウマ記憶に対して8から12セッションの暴露をします 1:18:10.140,1:18:11.940 これは非常に大変です 1:18:11.940,1:18:19.740 アメリカ合衆国退役軍人省(VA)が非常に治療離脱が多いことを公表しています 1:18:19.740,1:18:23.020 私達は、少し違うことを提案します 1:18:23.020,1:18:24.280 こうです 1:18:24.280,1:18:32.440 自分たちの経験からトラウマの原稿をつくります 1:18:32.440,1:18:35.200 30秒、それを聞きます 1:18:35.200,1:18:40.620 60秒、そのトラウマをイメージします 1:18:40.620,1:18:45.560 30秒、トラウマ記憶の感情ラベリングを行います 1:18:45.560,1:18:51.140 「私は今、○○という気持ちだ」という文に当てはまる感情語を選びます 1:18:51.140,1:18:58.680 そして、「○○のトラウマについて、そう感じる」という文に当てはまる言葉を選びます 1:18:58.680,1:19:03.120 そして、その後2分間の休憩をとります 1:19:03.120,1:19:05.960 これを10回繰り返します 1:19:05.960,1:19:10.560 私達がお見せする予備研究の結果はとてもよいです 1:19:10.560,1:19:20.540 これは治療者を必要としない、自動的なプログラムという点で素晴らしいものです 1:19:20.540,1:19:23.580 また、違うモデルの検証もしています 1:19:23.580,1:19:29.400 消去という視点で感情ラベリングがどのような働きをしているかはよく分かりません 1:19:29.400,1:19:40.780 感情ラベリングは、恐怖刺激に注意を向けるということで消去を増強しているかもしれません 1:19:40.780,1:19:51.000 どれくらい悪いか、ネガティブな考えをしているかを口に出すことが、予期を反駁することになり、増強効果を生み出しているのかもしれません 1:19:51.000,1:19:57.980 消去学習とは全く違うメカニズムで機能しているのかもしれません 1:19:57.980,1:20:04.300 制止調整回路が消去学習を補足しているのかもしれません 1:20:04.300,1:20:09.920 私は、不安耐性ということが起こっているのだと思います 1:20:09.920,1:20:19.120 というのも、患者を励ますことは、何かを再構成するわけではなく、感情のラベリングするということだからです 1:20:19.120,1:20:24.160 感情のラベリングは、前に進むということです 1:20:24.160,1:20:31.180 不安だけどやる。怖いけれど暴露をするということです 1:20:31.180,1:20:33.700 さて、全てをまとめましょう 1:20:33.700,1:20:38.020 これが私達が行うエクスポージャーの計画の例です 1:20:38.020,1:20:46.460 まず、「パーティーに行く」など回避しているものが何かを特定する必要があります 1:20:46.460,1:20:48.980 そして、「最も恐れているものはなにか?」を考えます 1:20:48.980,1:20:52.560 ここでは、「拒否されること」です 1:20:52.560,1:20:56.140 「このことを検証するためには、どうしたらいいか?」を考えます 1:20:56.140,1:21:01.940 これは、予期を最大限に反駁するためにはどうしたらいいのか?ということです 1:21:01.940,1:21:07.560 「パーティーに行き、数人と話す」 1:21:07.560,1:21:09.740 「1時間はそれを行う」 1:21:09.740,1:21:18.040 「ほとんど知らない人ばかりのパーティーに行き、話す話題を知らない状態で、2人以上の人と話す」 1:21:18.040,1:21:25.640 これを全てしないと、「拒否されない」と考えられますし、患者も驚きませんね 1:21:25.640,1:21:29.460 このような状況が、予期の反駁を最大限にするということです 1:21:29.460,1:21:34.980 今日は話していませんが、安全行動を除去する必要があります 1:21:34.980,1:21:38.940 これをすべて行うことが暴露を最適化するということです 1:21:38.940,1:21:41.560 まずこれをしてみます 1:21:41.560,1:21:48.160 ただ、最初からこの最適化された暴露ができない人もいるので、最初の暴露を考えましょう 1:21:48.160,1:21:57.940 最初の暴露で、どんなことを試してみたいか具体的に書き出します 1:21:57.940,1:22:04.080 「政治について話しているときにアイコンタクトをとると、その人は話すのをやめて、どこかに行く」 1:22:04.080,1:22:10.260 どのように試すのか?では、「パーティーで政治の話をしているときに目をあわせる」です 1:22:10.260,1:22:13.700 この部分は、オプションの戦略です 1:22:13.700,1:22:17.560 全部やってもいいですし、最悪一つでもよいです 1:22:17.560,1:22:21.200 「やめることはなんですか?」は、安全行動のことです 1:22:21.200,1:22:24.620 やめることは、「アイコンタクトをやめる」です 1:22:24.620,1:22:29.300 「その状況に留まり続けるにはどうしたらいいか?」は、注意を持続させる方法です 1:22:29.300,1:22:31.440 ここでは、「会話に注意を向け続ける」ですね 1:22:31.440,1:22:35.860 「どうやったら、嫌なことを一緒にやれますか?」は、ここではありませんでした 1:22:35.860,1:22:41.500 例えば、「スパイシーな食事をして汗をかいている状態で」などです 1:22:41.500,1:22:47.540 「どうやって、向き合ったらよいですか?」の項目は、消去中に時々恐怖を強化することに対応します 1:22:47.540,1:22:55.300 例えば、「知り合いと話そうとすることで、パーティー参加者から非難される」です 1:22:55.300,1:23:01.420 「どのように感じるでしょうか?」では、自分の感情を書き出します。感情のラベリングです 1:23:01.420,1:23:04.960 これを全てすることが、最初の暴露になります 1:23:04.960,1:23:11.060 エクスポージャーには、「どれくらい恐怖を感じるか」は、必要ありません 1:23:11.060,1:23:16.340 必要なのは、「自分が予期している心配を評価する」ということです 1:23:16.340,1:23:21.300 これは、「患者が何を学ぶ必要があるか?」を考えているのです 1:23:21.300,1:23:25.640 エクスポージャーの終了は恐怖の強さによって決めません 1:23:25.640,1:23:28.080 どのような状況を経験する必要があるかで決めます 1:23:28.080,1:23:39.480 エクスポージャーを実施する前に、「最も恐れていることが起こりそうな確率」を答えてもらいます 1:23:39.480,1:23:44.180 オプションとして、「それが起こった時、どれくらい悪いことが起きますか?」と答えてもらいます 1:23:44.180,1:23:46.900 そして、「現在のストレスの強さ」に答えてもらいます 1:23:46.900,1:23:51.360 エクスポージャーの終了や、完遂時に、 1:23:51.360,1:23:52.980 ストレスの強さに回答してもらいます 1:23:52.980,1:23:57.740 最も恐れていたことが起こったかどうかに「はい・いいえ」で答えてもらいます 1:23:57.740,1:24:01.140 そして、何が起こったかをまとめてもらいます 1:24:01.140,1:24:05.920 恐れていることが起きなかったことがどうやって分かったかを書き出してもらいます 1:24:05.920,1:24:10.220 サラが会話を終えるときに興味深そうにしていたとか、ジルが帰ってきたとかです 1:24:10.220,1:24:17.900 「もし、恐れていることが実際に起こったら、それは予想していた程にわるいことでしたか?」とたずねます。ここでは、該当なしです 1:24:17.900,1:24:21.320 最後にエクスポージャーの体験をまとめます 1:24:21.320,1:24:27.020 「エクスポージャーで何が起きると予想していたか、そして実際に何が起き、何に驚いたか?」です 1:24:27.020,1:24:30.820 これは、予期の反駁に注意をむけさせているのです 1:24:30.820,1:24:32.860 内容は、読めば分かると思います 1:24:32.860,1:24:35.400 そして、「何を学んだか?」です 1:24:35.400,1:24:40.380 そして、「もし、同じようなエクスポージャーを行ったら、 1:24:40.380,1:24:44.180 恐れていることはどれくらい起こるか、どれくらい悪いか」を答えます 1:24:44.180,1:24:50.140 このようにエクスポージャーで学んだことを熟考してもらう段階を統合と呼んでいます 1:24:50.140,1:24:53.240 これは、認知再構成ではないんです 1:24:53.240,1:24:55.160 学習を統合しているのです 1:24:55.160,1:24:58.380 時間が超過してすみません 1:24:58.380,1:25:08.900 エクスポージャー療法の成功は、制止学習や神経学的調節に基づいた強度と自然的回復に依存します 1:25:08.900,1:25:16.020 エクスポージャー中の恐怖の低減は、実行していることの指標にはなるが、学習や長期的予後の指標にはなりません 1:25:16.020,1:25:24.200 そして、いくつかの方法でエクスポージャー中の学習を最適化することができるのです 1:25:24.200,1:25:28.220 このパッケージが先程から述べているものです 1:25:28.220,1:25:31.140 その中から一つだけ注目すると、 1:25:31.140,1:25:41.980 予期の反駁は、お気づきのように認知モデルの行動実験と重なります 1:25:41.980,1:25:48.320 ただ、これだけではありません。これまで紹介した他の要因全てが影響します 1:25:48.320,1:25:50.320 ありがとうございました