醜形恐怖症への認知行動療法

強迫症(強迫性障害)
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醜形恐怖症とは?

醜形恐怖症とはDSM-5から強迫症関連疾患になりました。 身体醜形障害との併記があるように、自分が醜いと思っている対象が『顔』以外の場所であることもあります。顔以外で多いのは「体格」であるように思います。

症状の中心は、「自分の顔は醜い」という考えです。そして、この考えから逃れようと様々な行動をとり、その行動が生活上の障害になります。

この、「自分の顔は醜い」という考えは、他人に「美人だ」「イケメンだ」といくら言われても、消えることはありません。そのため、「美人だ」と言われても、「この人は、お世辞で言っているだけなのではないか?」という疑問が残ってしまいます。

醜形恐怖症と関連する病気

醜形恐怖症の方は、強迫症を持っていることも多いです。例えば、左右対称を気にする、正確にしないと気がすまないという強迫症があります。この場合、髪型や体型を左右均等にするために時間を使ってしまうことも多いです。

醜形恐怖症の方は、社交不安障害を持っている方も多いです。そのため、外出するときは、醜い顔を隠すためにマスク・サングラスをつけたり、お化粧をしたりします。しかし、この化粧も納得するまでやり直すために非常に時間がかかることも多いです。男性ならば、髪につける整髪料をつけては洗い流しを繰り返すこともあります。

醜形恐怖症の方は、マスクをつけ、お化粧をして外出しても『どこかで、ブサイクだと思われているんじゃないか?』という心配が出てきます。そのため、社交場面を避ける傾向にあります。

鏡をみるのが嫌だ / 鏡を見てしまう

これは、どちらもあります。「鏡を見るのが嫌だ」という人は、自分の顔が嫌だから見たくないという理由で鏡を見ようとしません。鏡を見てしまう人は、「自分の顔が変じゃないか」を確認するために見る人がいます。鏡の前で、気になったら化粧直しをして時間をとられることも多いです。また、自分の気になった顔のパーツをじっと見続けてしまう人もいます。

醜形恐怖症と美容整形

醜形恐怖症の多くの方は美容整形を希望します。しかし、美容整形もお金がかかるために、美容整形ができない人も多いです。運良く、美容整形をした場合、手術の直後は自分の顔がとても気に入りますが、しばらく経つと、気になってきます。このように、何度、美容整形をしても、「自分の顔が醜い」という考えが払拭できないのです。

治療は?

醜形恐怖症の治療はSSRIと認知行動療法になります。認知行動療法は社交不安障害への認知行動療法に近い方法が行われます。醜形恐怖症の方が苦手としているのは、「自分の醜い顔を人前に晒すこと」と「自分の顔・体を気になった所以外も均等に見ていくこと」です。

「自分の醜い顔を人前に晒すこと」は、変な格好で外を歩いてもらうエクスポージャー法を行います。後者は、自分の顔を見てもらいますが、気になるパーツ以外も同じような注視時間でみてもらうようにしていきます。この練習はマインドフルネスを併用していきます。

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