認知行動療法としてのマインドフルネスを考える

認知行動療法
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マインドフルネスとは、平たく言えば「今の自分の心の状態」を観察することです。
例えば、今、自分が怒っていたり、悲しんでいたり…と生活をしていれば様々な感情が湧いてきます。これらを、ずっと観察している状態がマインドフルネスな状態と言えます。
しかし、私が『心の状態をよく観察しましょう』と言うと、「私は、自分がイライラしていることには気がついています。」とよく言われます。

マインドフルネスには観察する以外にも幾つかの要素があるのです。

まずは、その一つ目ですが、『おだやかに自分の心の状態を観察することです』
例えて言うならば、科学者が未知なる文明と遭遇して、目の前にいるロボットの作りがすごい!なんでこんな行動がとれるんだ!と好奇心をもって観察するような感じです。
自分がイライラしているのに楽にならないという場合、この穏やかさがかけているのですね。
自分が、どうしてイライラしているのだろう。この感情はどうして怒るのだろう?と考えるのがマインドフルネスと言えます。

また、マインドフルネスには判断しないという原則もあります。

例えば、仲の良い友達に嫉妬の感情を覚えたとします。
頭のなかでは、『なんで、こんな気持になるんだろう。自分って最悪だ』と思ったりしますね。

実は、これは自分の感情に対する判断なのです。

マインドフルネスでは、このような自分の中に沸き上がってくる感情・思考に対しても、判断をせずに、それがそこにあるんだと認めていきます。
『私は、嫌な気持ちを覚えたのだ』『そんな自分に対して自己嫌悪している』と自分自身を観察しながら、判断を取り払っていきます。

そして、マインドフルには気づくという側面があります。

観察する為には、何を観察するのか?ということに気づく必要がありますね。
自分の心の微妙な動きは、非常に気づきにくいのです。
人は、自分が怒っていたり、不安になったりすることに気づかずに、その感情に振りまわされた行動をとってしまいます。
なぜなら、感情は行動を生み出す最も大きなエネルギーになるからです。

気づきの練習のためには、体の微妙な変化を感じ取る必要があります。
少し今日は肩に力が入っているだとか、胸がきゅーっとなっているだとか、そのような変化に敏感になることで、自分の心の状態に気づきやすくなります。

感情に突き動かされた行動をとれば取るほど、その感情は強まってきます。

例えば、イライラしている人が声を荒らげたり、ドスドス歩くとその感情は更に強まりますね。
強迫性障害の人も、強迫行為でその感情を発散させようとすれば症状は悪化してしまいます。
パニック障害の人は、身体の反応に対して体が防衛的な反応をおこして、余計に不安が高まりますね。

このように多くの精神疾患や心理的問題では、感情に突き動かされた行動をとることで問題が維持されているのです。

自分の心の変化に敏感になるとは、これらの悪循環にいち早く気づき止めるということでもあります。

参考:マインドフルネス

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